韓国生活

変幻自在の言葉『アラソハセヨ(わかってしてね)』のニュアンスが難しい!

こんにちは!たびなすびのちかです。

10年も韓国に住んでいると、10年前と現在ではだいぶ変わったなあと思います。

例えば、

昔は修理屋さんが約束の時間に来なくて電話すると…

 
「今昼飯食ってんだよ!!!ちょっと待ってろ!!」
 

だったのが、

今では、

 

「これから向かいますが、ご在宅でしょうか?」

 

と約束時刻前後15分で来たり。

 

昔は入国管理局で、

「すみません、必要書類一枚忘れました。」
「えー、じゃあいいです。」
 

だったのが、今では、

 

「すみません必要書類忘れました。」

「えー、じゃあ受け取りに来る時に必ず持ってきてください。」

 

と年々規則正しくなっていることを実感します。

え、日本だったらそれもありえないって?

 
日本と比べないでください!!
 

ジャパンは超越してますから…。かなうわけないじゃない…。

この言葉で全てが収まる

とはいえ、全てをきっちりしようとすると、多少の歪みが出てきますね。

そんな歪みを修正し、揃えていくのは結構骨が折れるものです。

ジャパンであれば、会議や打ち合わせを繰り返し試行錯誤しながらすり合わせて行くのでしょうが、それでは時間がかかって仕方がありません。

せっかちな韓国人がそんなに時間をかけてほんの少しの修正をするはずがない。

 

では、どうするのか。

上司が部下に言うのです。

 
上司「ニガ(お前が)アラソへ」
部下「ネ!(はい!)」

 

終了!

「アラソへ」ってなんだよ

「アラソへ」=タメ口

「アラソハセヨ」=丁寧語

なんですが、「アラソ(알아서)」とは「分かって」という意味で、直訳すると「分かってしろ」とか「分かってしてください」。

つまり、「君が状況とか雰囲気とか考えてさ、一番いいなと思った感じで進めてちょうだいよ。」という意味ですね。

 

例1)

A「今度のイベント、子供中心でやる? それならあそこの店よりこっちのほうが気を使わなくていいかな。でもそうすると、食事が合わないって人もいるかもね、魚介類中心だし…」

B「まあ、それはAちゃんがアラソハセヨ。」

 

例2)

C「来週有給とりたいんだけど、ちょこちょこ会議入ってるんだよなー。今申請したら部長に怒られそうだけど、どう思う?」

D「お前のスケジュールなんて知らねえよ、アラソへ!

 

例3)

E「来年新設された科目の授業、どんな内容で進めたほうがいいですか?」

F「E先生がアラソハセヨ。私は自分のことで手一杯だわ」

 

非常によく使われる言葉で、意味もシチュエーションによって変わるのですが、結局、

 
面倒くさいからあんたが考えて。
 

という心が透けて見えますね。

韓国の人は瞬発力は非常に高いのですが、細かい部分を詰める作業が得意ではありません。

そのため、詳細について言及されると面倒に感じることが多いのです。

 

日「この料理は一人つづ盛ります?それとも大皿で?」

韓「…大皿でいいわよ。」

日「盛り付けはこんな感じでいいですか?赤が足りないからトマトも足します?」

韓「…そうね」

日「取り皿は二つ必要かな、味が混ざっちゃうし。どうしますか?」
韓「…、もう!アラソハセヨ!」
 

こんな感じ。

 

個人的には韓国のこの雰囲気に慣れてるので、たまに日本に帰っていちいち指示されたり逆に指示を仰がれたりすると、

 
アラソしてくれよ〜〜〜
 

とイライラしてしまう…。

こんな私を許して下さい。

 

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