こんにちは!たびなすびのちかです。
「グヌンムル国立公園」は園内に様々なアクティビティがあり、観光客は事前に予約することで参加できるシステムになっています。
ジャングルの背の高い木々を結ぶキャノピーウォーク(つり橋)や洞窟・鍾乳洞体験、トレッキングなど、ガイドと共にグループ単位で行動。
英語ができないイタリア人おばさん
観光客は大体滞在期間が同じなので、ロッジに滞在したりアクティビティに参加すると顔見知りが増えてきます。
そこに気になる人を発見。
年のころは40~50代でしょうか、カーリーヘアの黒髪で、極太の眉毛がとても印象的な女性です。
彼女のカメラは今時珍しいフィルムタイプで、しかもプロ用でも骨董品でもなく、私が小学生のときに流行したプラスチックのふたをスライドさせる懐かしいもの。
さらに、重量1~2キロありそうな分厚い動植物図鑑と、ポットといってもいいような大きな水筒を常にぶらさげていたので目立っていました。
面白そうなので話しかけたのですが、彼女全く英語が話せません。
私も話せませんが、桁が違うくらい話せないのです。
例えば、
私「Where are you from?(どこから来たんですか)」
オバサン、ポカン…。
旅行をしていれば一番質問されるので、2~3日でも海外に行けば理解できる気がするのですが。
更に、
「We are Japanese. and you?」
と聞いてみると、
「◎△$♪×&%#?」
わからない…。
仕方が無いので、昔習った脳みその彼方にあるスペイン語をひねり出し、
「ウィーアー、ハポネス!」
というと、
「◎△$♪×&%#イタリアーナ×&%#」
とのこと。
イタリア人だったんだ!
なんで図鑑を持っているのか聞きましたが、当然簡単には通じず、さらに通じても何を言っているのかヒントもないということで、彼女とは挨拶程度の関係に戻ってしまいました。
デンマーク人とイタリア人のバトルに巻き込まれる
そんなイタリアおばさんと鍾乳洞体験ツアーが同じグループになりました。
他にはデンマーク人夫婦と私たちの合計5人。
鍾乳洞までは5人乗り+運転手のカヌーで移動。1時間ほど川を下り、鍾乳洞の入り口にたどり着きました。
内部の見学はグループ毎に列になり進んでいきますが、イタリアおばさんはフィルムカメラでベストショットを狙ったり、図鑑で調べたり、水筒をおろして水分を補給したりとなかなか進みません。
デンマーク夫婦は二人ともドリフの探検隊のようなジャングルルックで決めており、写真の構図にこだわるカメラマンのご主人が奥さんの立ち居地などを詳細に指示し、あらゆる場面で写真を撮っていました。
しかし、列を乱すことを嫌うのか、写真を撮った後、進度に遅れることなく驚くすばやさでガイドの後ろを確保します。
ゆったりとテキパキの行動の比較が鍾乳洞より面白いな、と思いながら二組の間で見学していました。
鍾乳洞を抜けると、見晴らしの良い広場と奥に透き通った滝つぼがありました。
するとガイドが注意事項を。
「帰りは来たボートにしか乗れませんから、グループで相談して帰ってください。時間は自由ですが、ボートに乗れないと歩いて帰る羽目になりますからね。」
歩いて帰る、という言葉にみんなが笑って了解すると、思い思いに分かれて好きなことをし始めました。
私たちも喉が渇いていたので広場でコーラを買って飲んでいると、超怖い顔でやってきたデンマーク夫。
「私たちは1時間後に別のアクティビティの予定があるから、帰りたいんだ。」
と。
予定もないし本当はゆっくりしたかったのですが、鬼気迫る顔が怖すぎるので、「わ、わかった。いいよ…」と回答。
ところが、イタリアおばさんはどこにもいません。
4人で探しましたが(私たちは適当、デンマーク人は必死で怖い)見つかりません。
イライラしているデンマーク人は
「あのイタリアばばあ、どこにいるんだ!さっきからもたもたしやがって!」
的なことを言い、キレまくっています。こわいよー。
すると、うちの夫が「あ、おばさん滝つぼで泳いでる!」と!
そちらを見ると、
それはそれは気持ちよさそうにプカプカ浮いているおばさん!
超気持ちよさそう!
すると…
ピーー!!ピーー!!
何かと思えばデンマーク夫が犬でも呼び寄せるかのように、指笛を吹いています。
「そこのイタリア人!こっちこい!!!」
ひええー
何事かと豊満なビキニ姿であがってきたイタリアおばさんはきょとんとして、「びこう~ず、びこう~ず」と繰り返しています。
びこう~ず …
because …
なぜ …
「どうしたの?」って意味か!
おばさん!頑張って英語で話したー(涙)
デンマーク人にまくし立てられたらかわいそう!と私がまず話しかけました。
「みんなでボートで帰らなきゃいけないんだけど、この人たち予定があるから今出発したいんだって」
当然伝わりません…。
「なんで英語わかんないんだよ!早く通訳のイタリア人連れてこい!!」
怒り心頭のデンマーク人。
すると近くにロッジ仲間のスペイン人発見!
「スペイン語ってイタリア語とほぼ同じでしょ(無知)、お願いだからこの状況を救っておくれよ…」
と事情を説明すると快諾してくれました。
ラッキーなことにそのスペイン人は多少イタリア語が話せるようで、おばさんも状況を把握。
すると、
「ああ、そんなこと。
じゃあ、先帰ってよ。」
「いいの?そうするとおばさん山道を歩いて帰らなきゃならないんだよ!」
「いいのよ~、歩くわ~」
「地図もないじゃん、一緒に帰ったほうがいいよ!」
「だって滝つぼ気持ちいいんだもん~、もうちょっと泳ぎたいわ~」
「ホントにホントにいいの?大丈夫?他のボートに乗れないよ?」
「気にしないで~、ベッラベッラ~」
いいの…おばさん…
「ほら、じゃあ置いていくぞ!俺たちは早く行くぞ!」
おまえーーーーーー!
と思いましたが、迫力負けしているので何もいえず、私たちも歩きたくないのでめちゃくちゃ後ろ髪を引かれながらボートに乗りました。
帰り道「大丈夫かなー、おばさんに本当に悪いことしたね」と夫婦で猛反省したのでした。
でもおばさんの生き方、素敵…。
翌日、空港へ向かうトラックに乗るまでおばさんを見かけなかったので、いまだに彼女が無事だったのか気がかりでなりません…。
※個人の性格の問題であり、デンマークおよびイタリアの国民性に言及したものではありませんよ!
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