たびなすびのヨシです。
過去旅に写真を何枚か挿入しました。
この旅は、結婚する前に、僕が一人旅で訪れたモロッコ(特に青い街「シャウエン」)に、どうしてもちか(妻)を連れて行きたくて提案したものでしたが、ちかは「キツい旅になるなら島もセットでね!」ということだったので、マレーシアのプルフンティアン島を入れてみました。
その結果・・・移動距離が長すぎて、逆につらい旅になってしまいました。
韓国(釜山)→マレーシア→モロッコ→スペイン→ポルトガル→韓国(釜山)
マレーシア
クアラルンプール→プルフンティアン
モロッコ
カサブランカ→マラケシュ→ワルザザード→サハラ砂漠→フェズ→シャウエン→タンジェ
スペイン
セビージャ
ポルトガル
ラゴス→リスボン(ロカ岬)→ナザレ→リスボン
モロッコは真夏だったし・・・
以下の記事はそんなハードな旅で起こったワンシーン「砂漠から街へ8時間の戦い!アラブ商法モロッコ人VSマイペース中国人!オロオロする日本人・・・」です
こんにちは!たびなすびのちかです。
海外旅行をすると、相手のペースに巻き込まれてしまったり、強気な態度に押されてしまったりとなかなか思うように交渉が進まないことがよくあります。
相手の話を聞きうんうんとうなずいていると、知らないうちに契約成立していたなんてことも起こってしまうので、日本の習慣は一旦忘れて挑まなければなりません。
それがなかなか難しいもので、つい癖で「うんうん」とか、「なるほど」、「そうかもしれないね」などと言ってしまい、断る段になって「さっきYESっていったじゃんかーー!」とキレられることも少なからず起こってしまい、ちょっと凹んでしまうことも。
サハラ遊牧民に一眼レフで写真を撮らせる中国人
サハラ砂漠のラクダツアーで一緒になった、上海出身の張さん。
50歳前後で夫婦でモロッコを旅行中とのこと。
このところ、どの観光地へいっても中国人観光客で溢れかえっていて、まず中国語で話しかけられることが多くなってきました。
しかし、モロッコはまだ中国人がそれほど多くなく、中国人として唯一の参加者が張さん夫婦でした。
この2泊3日のサハラ砂漠ツアーはなかなか過酷なもので、30代の私たちですら根を上げそうなスケジュールと天候だったため、一回り以上年上に見える張さん夫妻はどれほど大変だったでしょう。
張さんの奥さんなどは、2日目には生気のない目でいつも遠くを見つめていました。
いよいよラクダに乗り、砂漠を目指し出発。
しかしラクダの乗り心地は最悪で、揺れはひどいわ、股はつるわ、靴は脱げそうだわとなかなか過酷なアクティビティ。
私もプルプルと内腿が震えるのを何とかこらえ、必死にラクダにしがみついていました。
心配なのは張さんの奥さんです。
何とか手だけは綱を握っているものの、ほぼロデオのように頭がぐりんぐりんと左右に揺らされ、目はほとんど開いておらず、足は前後にぶらぶらと投げ出されています。
ふ、不憫…。
夫よ、何とかしてあげなさいよ…と張さんを見ると、
キャラバンの先頭で隊長気分なのか、片手を振り回し意気揚々と歌を歌っています。
すると、張さんが引率の遊牧民に何かを言い、キャラバン隊が一時停止しました。
張さん、なんだかんだ言っても奥さんを気遣ったのかな。
引率遊牧民「みなさん、ここで写真撮影タイムです」
違った。
張さんは高そうな一眼レフを遊牧民に渡すと、立ち居地と夕日の角度を指示しながら、片手を空に突き刺し「ヤー」と叫びポーズをとりました。
撮影したカメラを張さんに渡すと気に入らないのか、再撮影。これを4度ほど繰り返し、5度目は妻も撮ってくるよう遊牧民に指示。
すっかり張さんのペースにはまる砂漠の民。
ツアーの終わりには5回撮影させた張さんも、ほぼ野放しだった私たちも同じ値段のチップを払わされました。あいやー。
張さんとサハラからフェズまで8時間タクシーの旅
ツアー出発地であるマラケシュがツアーの最終到着地だったのですが、私たち夫婦は、反対側のサハラ砂漠から北にあるフェズという町を目指します。
ラクダを降りたらツアーを離れて、自力でどうにかフェズを目指そうと思っていました。
ラクダを降り、他のツアー客と連絡先の交換をしていると、突然、
「おーい、日本人?フェズ行くんでしょ。一緒に行きましょう、4人なら一人300DH(約3000円)でエアコンタクシーで行けるから!」
と張さんが話しかけてきました。
聞けばあと十数時間しないと長距離バスもなく、今日中にフェズに着くにはタクシーしかないとのこと。
ヨシは10年前のモロッコ一人旅で、同じルートを砂漠で知り合った旅人とタクシーをシェアして散々な目に遭ったらしく、あまり乗り気ではない様子・・・。
ただ、2人でタクシーを使うと倍の値段がかかるし、バスだと半額だけど狭いし社内はとっても暑く不快!
張さんの奥さんもいい人そうだし、、まぁまぁ、いいオファーだということで私たちも快諾。
すると張さん、タクシーの手配や値段、クオリティの確認などモロッコ人との面倒な交渉を全て一人でやってくれました。謝謝!
ラクダ乗り場ですぐにタクシーに乗れると聞いていたのに、10分ほどバスに載せられ道端で下ろされた私たち4人。
すると、
骨董品のようなボロボロの黄色いベンツ
がぽつんと止まっているではありませんか。
まさか…これで8時間…?
すると、間髪いれずに
「おいおいおい!!エアコンつきのデラックスベンツだって言ったじゃないか!!これのどこがデラックスなんだよ!」
と張さんの抗議です。
運転手はなにやら言い訳をしていましたが、納得していない様子の張さん。
8時間なにかにつけて「エアコンもない」を枕詞をしていました。
結局、モロッコにいる間中エアコンフル稼働のタクシーもバスもお目にかからなかったので、これがモロッコスタンダードではあるみたいです。
アラブ人との揉め事を張さんに全てを任せる
乗り込むやいなや、運転手が
「このタクシーは定員が7人だからあと3人乗せたい」
と言い出しました。
いや、普通のセダンメルセデスですよ。
セダンに7人っておかしいでしょ…。
ちょっと大丈夫なの…? と不安になりかけたとき、またしても!
「ちょっとちょっと!!!困るよ!!それなら私たちお金払わないよ、ここで降りてもいいんだよ。ここなら車もいっぱいあるしヒッチハイクでもいけるんだしね!!」
張さん…。頼りになる…。
「わかったよ…。○×△☆♯♭●□▲★※!!!(多分アラビア語で文句)」
とふてくされる運転手。
そんな8時間の暑く長い旅でしたが、とうとう最終目的地『フェズ』という標識が!
すると、運転手が「今すぐ300DH払え」と。
しかし、まだフェズ市内にも入っておらず、なぜこんな中途半端なところで清算するんだろうと思いながらも、運転手の本気の目力にビビる私。
怖いのでお金を払おうとかばんに手をかけると、「待って」と夫に制されました。
すると、またもやあの人が!
「フレンド!絶対にきちんと払うんだから、着いてからね~」
しかし運転手は「いや、だめだ。今払え。今だ!!」と怒鳴ります。
大きな体格のモロッコ人に大声を出されると迫力負けしてしまいそう。
運転手は本気のようです。こわいー
「フレンド、大丈夫大丈夫~。あのね、私はこのホテルに泊まるから、そこまで行ってね~。」
とガザゴソとカバンから書類を出す張さん。
「何言ってるんだ!!俺は今払えといっているんだ!!」
すごい剣幕の運転手。
張「どこだっけな~、あのね~○○ホテル。知ってる?」
運「金だよ!マニー、わかる!?」
張「○○ホテルはね~、あとちょっとかな~?」
運「○×△☆♯♭●□▲★※!!!!」
張「ヨシサン(夫)どこに泊まるの~」
恐ろしいほど怒っている運転手と、恐ろしいほど全く気にしない張さん。
中国人の圧勝だわ…。
後で夫に聞いたところ、先にお金を払ってしまうと適当なところで降ろされてしまうことがあるため、払わなくてよかったとのこと。
「でもあんな剣幕でこられたら、俺だったら文句言って払って降りちゃうかもね。張さんすごいマイペース」
結局張さんのホテル周辺で降ろされた私たちは、そこで張さんとバイバイ。
少し歩いて振り返ると、張さんはタクシーのボンネットに地図を広げ、荷物運びのモロッコ人や案内モロッコ人数人に囲まれすさまじい勧誘を受けているにも関わらず、一切耳を貸さず一心にホテルの位置を確認していました。
周りの言葉に振り回されがちな私には、周囲に全く左右されず自分のペースを崩さない張さんを見て、他人に心を乱されてはいけないのだ…といい勉強になったのでした。
ちょーーっと奥さん大変そうですけどね。
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