こんにちは!たびなすびのちかです。
劇画タッチの顔の造りで深刻そうな表情を出すのが得意な私ですが、実は顔に似合わずうっかり屋で、よく忘れ物などをしてしまいます。
周囲の方々を巻き込んで大騒ぎをするという迷惑行為を行ってしまうため、一番の被害者である夫にはよく厳重注意を受けています。
九州だからって、どこにでも温泉があるわけではない
秋の連休を利用しやってきた九州。
レンタカーを借り福岡から大分、熊本と回り、大分から熊本に抜ける2日目に夫の親戚のお宅にお邪魔する予定でした。
お邪魔する目的は結婚の報告。
1日目は阿蘇の新築ゲストハウスに泊まり、近くの温泉につかり赤牛に舌鼓を打ちました。
2日目はいよいよ熊本へ向かいます。
九州の親戚には初めてお会いするため、朝風呂に入りサッパリして少しでも私の第一印象をよくしたい!と、運転手である夫を言いくるめ、ゲストハウスをちょっと早めに出発。途中の立ち寄り湯を目指しました。
ところが、行けども行けども温泉がない…。
「九州なら温泉推しだし、どこにでもボコボコ沸いてるだろう」
という当ては外れた模様。
必死にあちらこちらに車を走らせ、やっとの思いで1つ見つけたのですが、開店は10時。
早起きじいさんはいないのかー!
仕方が無い、ここで立ち往生してても埒が明きません。
とにかく大きい都市に出たほうがよさそう、とのことで一路熊本を目指したのでした。
清潔な格好で会いたいのは当たり前のこと
親戚とは昼食を一緒にとのこと。
10時を過ぎ、熊本市までもう少しというときに、夫が
「お腹もすいたし、もう時間もあまり無いからこのまま行っちゃおうか。」
と。
冗談ではありません。
顔は洗顔前のスッピン目ヤニつき、コンタクト非装着の受験生風めがね、昨日の部屋着であるタンクトップ(ピンク)にナイロン素材のショートパンツ。30代女性で髪の毛翼君。
こんな格好で甥っ子が奥さんを紹介したらどうでしょうか?
ああ、むしろお小遣いでももらえるかも知れませんね。不憫で。
しかし!私はそのお小遣いに賭ける勇気はありません。
どうか、どうか私にお風呂のチャンスを…と夫に懇願し、iphoneが教えてくれた日帰り温泉「湯らっくす」にたどり着いたのでした。
全てのキーを指紋認証とかにしてほしい
そのときすでに10時半。40分というタイムリミットをもうけ、いざ温泉にレッツゴー!
下駄箱であるロッカーに靴を入れ、女湯へと入ります。
朝だというのに結構お客さんはいますが、日本のこういう施設は外れがありません。
静かだしとても綺麗。
入浴前に入ったトイレも、洗面台も、パウダールームも、床もきれい…といつも韓国の銭湯でおばさんとバトルを繰り広げていた私は感動しました(そのときは韓国在住だった)。
湯らっくすはなぜかお風呂の中がライトアップされており、近未来的でありバブル時代っぽくもある、過去か未来かこんがらがるコンセプトでしたが、しっかり身体を洗い、天然温泉に浸かって見違えるように清潔になりました。
時間がありませんから20分で入浴を終え、20分かけてコンタクトをつけ、落ち着いた黒のシャツを着、ナチュラルメイクでもしっかりとしみを隠し、髪の毛も翼君から浅野温子へと変身です!
もういつでも準備OK!とロビーに出ると、iphone依存症の夫がiphoneをいじっていました。
「じゃーん、さっぱりきれいだよ」と話しかけると、「じゃ、行こうか」と私の変身ぶりには一切触れずに出て行きました。
温泉に入ったのにクールです。
さてと、私も行こう…
…
…ない
…下駄箱の鍵が無い
カバンを探すも、ない。ポケットにも、ない。
お店の人に断って脱衣所、大浴場、サウナを探すもないないない。
どうしよう!
すると夫が戻ってきて、
「どうしたの?」
「…」
「まさかまた何か失くしたの?鍵とか。」
「何でわかったの!」
「ジェスチャーゲームの名演技くらいわかりやすい動きだったよ。」
「どうしよう!靴が出せない!」
「まずフロントに行ってきな。多分マスターキーで開けてくれる。違約金とられると思うけど時間ないししょうがない。」(我が家のクールな司令塔)
「わかった!」
フロントへ行くと、やさしいお兄さんがマスターキーで下駄箱を開けてくれました。
後は連絡先を記入して、違約金3000円を支払わなければならないとのこと。
「鍵はだいたい出てくるので、連絡します。そしたら3000円はお返ししますね。」
笑顔で言ってくれました。すみません…。
フ「あの、電話番号未記入なんですが」
私「あ、実は日本に住んでなくて電話番号無いんです」
フ「じゃあ連絡はどうしましょう。ご実家でもいいので、一応ご記入いただけますか。」
実家…
生まれてこの方何度このようなドジを踏み、その尻拭いを家族に押し付けてきたか…
その家族(特に母)にわざわざ連絡したら鬼の首を取ったように非難されるに違いない。
私「あの、一応実家の電話番号書きますけど、明日までに絶対私からお店に電話するので、鍵が見つかっても電話かけないでいただけませんかっ。家族には知られたくないんです…(懇願)」
フ「わ、わかりました…」
と万引きGメンに見つかった人みたいなやり取りをして3000円支払い、5分後無事に「湯らっくす」を後にしたのでした。
その後何も無かったように親戚の方々とお会いし、夫は
「しっかりしたいい奥さんでよかったね」
と言われていました。
ちなみにその日の午後、私がまず始めに用を足したトイレの個室で鍵が見つかったそうです。
「湯らっくす」の店員さん、母に連絡しないでくれてありがとうございましたー!
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