こんにちは!たびなすびのちかです。
突然ですが、ビルの10階まで階段で登ったことがありますか?
手すりなしで。
柵もなしで。
しかも、外から。
しかもその階段、
今にも崩れそう…。
普通登ったことなんてないですよね、そして登りたくもないです。
なのに、なのに…。
私は ”新婚旅行” というワードに調子に乗りすぎて、登ってしまいました。
ピラミッドのはしごができる街、カンクン
メキシコはカンクンで、新婚旅行を満喫していた私達。
生贄に胸焼けしましたが、チチェンイッツァ巡りも2時間ほどで終わってしまいました。
ここまできて2時間ってのもずいぶん短すぎるんじゃない…。
ということで、いろいろなことを教えてくれているガイドブックの『その他の観光名所』というページをペラペラとめくっていました。
すると、そこには『まだ登れる貴重なピラミッド!』という文言が。
目の前のチチェンイッツァのピラミッドは、昔は誰でも登れたようですが、今は禁止。
登って周囲を眺められたらイメージも違うんじゃないか、生贄の気持ちもほんのちょっとは理解できるのではないか、と思うのです。
太古のマヤ人に心をはせるなら、やはりピラミッドに登らなければ。胸焼けしたままでは申し訳ない!
私たちはそのピラミッドを目指すことにしました。
自転車で爆走し、マヤ文明のピラミッド『コバ遺跡』へ!
チチェンイッツァからバスで1時間ちょっと。
ロケーションもばっちりの、
コバ遺跡(5-8世紀、マヤ文明)
に到着です。近い!
チチェンイッツァとは打って変わってローカル風な入り口。
入り口を抜けると、おっさん付きの三輪車と立てかけられた自転車が山ほどあります。
またまたいい商売考えるわね、アミーゴ。でも乗らないわよっ!
歩き始めた私たちに、どこからともなく聞こえた会話…
「大ピラミッドまで歩くと往復3時間かかるらしいよ~」
自転車借りました。
(一人300円くらい)
旅行中は毎日テクテク歩いているので、自転車に乗ると気分が高まります。
こんなに早く移動できるなんて!
「ブンブーン!」
と自転車にのりながらバイクの擬音を声に出すという、日本では恥ずかしくて考えられないこともしてしまうほどです。
その後自転車でも結構な距離を走り、バイクの擬音も小声になってきた頃、目の前に崩れたビルのような巨大な物体が現れました。
コバ遺跡は素手で頂上まで登れる(2010年当時)
※2018年4月追記:今もまだ登れるらしい!
この崩れたビルこそ、
コバ遺跡の大ピラミッド!
ピラミッドなのに、三角じゃない…。
チチェンイッツァの綺麗な三角形のピラミッドを、
雪だるまのように100回くらいゴロゴロ転がして、2回くらい崖から落として設置した感じ。
ほぼ崩れかけてます。
ピラミッドの正面に一直線に頂上まで伸びる階段では、たくさんの観光客が頂上を目指していたり、途中で写真を撮ったりしています。
テンションが最高潮になった私は、バイクの真似をしていたことも手伝っていたのでしょう、自転車を降りると一目散に、
階段を駆け上がるっ!
夫が「急だから気をつけ・・・」と背後で言っていたような気がしましたが、もう誰にも止められません。
一気に頂上目指し、一目散ですっ!
一心不乱に登り続けるも、頂上までは道のりが長く、途中で息が切れてしまいました。
「ちょっと休憩しよう…」
と立ち止まり、姿の見えない夫を探すために振り返ると…
ひええええ…
尋常じゃない高さ…
45度くらいの傾斜…
横はほぼ階段崩壊!
参考程度にお話しますと、この大ピラミッドの高さは42メートル、傾斜45度以上、一段の幅約一足分です。
途中でピタリと止まった足は動くのか?
そのちょうど中腹で止まってしまった私。
階段の中央にはロープがあったのですが、テンションがマックスだった私は混んでいる中央部を避け、端から登ってしまいました。
ちょっとずれたらほぼ崖です。
石と化す我が身…。
「どうした~、早く行こう~」
と呑気な夫。
しかし恐怖に支配された私は一歩も動けません。石ですから。
行くも地獄、帰すも地獄。
私「もう無理、動けない」
夫「えっ…」
私「無理っ。」
夫「…いやいや、もうすぐだから、頑張って。ね。」
(ね。じゃないよ!動けないんだから!ってか、何で登っちゃったんだろう…、私のバカ!一体どうすればいいの…)
と考えるや否や、
「うえーーーーーん!ごわいよ、がえりだいよーーー!」
と周囲もはばからず、自然と号泣…
ぎぇえーーー今考えると恥っ!
史上最強に恥ずかしい思い出ナンバーワン決定ですね。
今思い出しても穴があったら入りたい。
えええええ…という顔で見つめる夫と、泣き続ける30過ぎの女…。
それでも涙は止まらない。自分を抑えられません。
すると周囲の観光客たちが
「大丈夫?」
「あのロープまで一緒に行きましょう」
「私の手をつかんで」
と集まってくれるではありませんか。
なんてやさしいひとたちなの…
ありがとうございまずーーーサンキューグラシアスーメルシー…
そんなこんなで無事に頂上に到着!!
周りが森に囲まれた幻想的な景色もほぼ楽しめず、数人に抱えられながら引きつった顔で記念写真を撮ったのでした。
帰りはロープを死守してそろりそろりと降り、とぼとぼと自転車を漕いで帰りました。
皆様、登る前には冷静に深呼吸してくださいね!
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