こんにちは!たびなすびのちかです。
30代突入とともに温泉ラブ夫婦になった私達。
そもそもは「温泉旅館のサービスの高さ」にハマったのですが、雲仙温泉で夫のかかとの角質が溶けてからというもの、「泉質」が最優先項目へと変更。
だって一晩経ったら、干上がった畑のようだったかかとが、蒸したてのまんじゅうのようにツルツルに潤っているんですから!
(→ 雲仙温泉に入ったら20年来のかかとの角質が溶けた!?)
しかし、一晩の効果が一生ものかといったらそんなことはなく、まんじゅうかかとを維持するためには、定期的に温泉へと浸かりに行かねばならぬのです。
東北の実力を見せてやれ!
日本に帰ればどこでもポコポコ温泉は湧いています。
それは非常に嬉しい限りです。
しかし、あくまでも私達の最優先項目は「泉質」。
「家族でどうぞ!お肌にやさしい弱○○性温泉」
じゃあ、だめなんだよ!
角質をガンガン溶かしてくれないとねえ!
すると、我が故郷宮城県の北部にある『鳴子温泉』には、日本の温泉泉質11種類のうちなんと9種類までが網羅されているらしい!
その情報を得たと同時に、夫のかかとをサワサワと触ってみると、
カ…サ…
日照り畑二歩くらい手前!
よし、次の帰省には鳴子行くぞ!
陸羽東線を可愛いと連呼する夫
東京から鳴子温泉直接行くには仙台からひと駅の古川で新幹線を降り、そこから陸羽東線に乗り換えます。
私の実家からは車のほうが便利なのですが、シティーボーイ夫が是非とも田舎の列車に乗りたいらしいので私達も陸羽東線を使うことにしました。
田舎あるあるのド定番、列車は一時間に1本しかないので時刻表を必ず確認してから行動しなければなりません。
夫「何分とか考えて駅に行くなんて、飛行機みたいだよねー。」
私「全然。ただの日常。」
発車時刻に合わせて始発の駅に来たので、列車はもうホームでスタンバイしていました。
「かわいーーー!」
陸羽東線を見てはしゃぐ夫。
…かわいい?
陸羽東線が?
「ただの列車ですけど?」
「2両しかないじゃん!」
あ、そゆこと!
都会で育った夫は3〜5分おき来る十数両の電車がデフォルトの記憶なのですね。
とここまでは微笑ましく見ていましたが、その後、
ドアの前で立ち往生したり(手動でドアを開けるボタンを知らない)、
山と田んぼの風景にはしゃいだり(こっちにしてみれば庭みてるようなもん)、
向かい合わせの座席を珍しがったり(東京都心以外には結構あるわ!)と面倒なので無視しました。
日本の田舎知らなすぎ!
硫黄の匂いがしたら、そこは鳴子
も…わ…
「ちかでしょ。」
「ちがーう!これは鳴子の匂いじゃ!」
と勘違いしてしまう硫黄の匂いが立ち込める温泉の町、鳴子。
そして温泉とともに推しているのが、
こけし。
鳴子にかかれば、
ポストもこけし。
電話ボックスもこけし。
歩道の境界もこけし。
こけしタウンなのです。
そんなこけしに囲まれながら、やってきたのは
『早稲田浅敷湯』
(地図)
ここは昭和23年に早稲田大学の学生が掘り当てたもので、公衆浴場として地元民に親しまれてきた温泉。
平成10年に改装され今のかたちになったそうです。
入り口や通路が面白い形になっていて、地下に潜って温泉に入るような気持ちになります。
地下にたどり着くと受付があり、券売機でチケットを買うシステム。
入浴料は530円、タオルは貸出にお金がかかります。
下駄箱の鍵を貸してくれるので、貴重品はそこへ。
脱衣所にはロッカーはありません。
以前訪れた時には、何もなかった気がするのですが、今回はシャンプーとボディーソープありました。
浴場はまず、天井が高い!
地下に降ってきた思いきや、2階付近まで天井が有りそこから採光をとっているのでとても明るい。
男女ともに内湯が一つだけで、銭湯のような作りです。
身体を洗って湯船に浸かろうと足を入れると、
リアル熱湯風呂!
「…あっち!…やばいあっちー!」
と独り言を言っていると、
「ちかー、一人?」
と夫の声。
「そうだよー、よし(夫)も?」
「一人!最高。」
何かいい感じ…。ドラマみたい…。
「…っっち−!!!!」
夫もやはり熱いようだったので、私の体感は間違っていなかったようですね。
当然のぼせるよね…
陸羽東線でわざわざ来たのだから、と結構粘って温泉に使っていたのですが、なかなかの高温にとうとうギブアップ。
脱衣所で滝のように次から次へと流れ出る汗を拭きながら、
(効果満点…でも汗まみれ…)
と入浴の意義の根本を考えました。
浴場を後にし階段をのぼると、そこには畳敷きの広い座敷が有ります。
テーブルが6つほど並べてあり、数人がくつろいでいます。
私達も陸羽東線の出発時刻の関係上時間がありますので、そこで水分補給がてら休むことにしました。
端っこでは知人を尋ねたらしい男性が、鳴子について結構な声量で語っていました。
男「この建物は姫路城と似てるって俺は思ってるわー」
友「姫路城こんななの?」
男「っていうか、あの採光のとりかたとか?まああんまり俺の感性には相容れないよね。」
友「ふーん…」
男「俺はさ、こういうとこでさ、ボーっとする贅沢?大切にしてる。」
友「なるほどね…」
(随分俺推しの人だね…。相手も相槌に困ってる…大変そう…)
と思いつつ横になり目を閉じ…
…
…
…はっ
暗い!
俺男はもう跡形もなく、真っ暗な座敷の角にちょこんと座るまんまるな夫のフォルム…
「3時間経ったよ。もう夜。」
マジで!
温泉威力すごいな!
運良く陸羽東線発車時刻が迫っていたので、急いで駅へと向かいかわいい列車で帰路についたのでした。
夫のかかとは雲仙程は変わらず!若干つるりでした。
鳴子に一言いいたい
とてもいい泉質を持っているのですが、商売が上手じゃない鳴子。
観光宿泊施設が経営難に陥ることも多い昨今では、日本中の温泉街が特色を出し観光客に来てもらおうと、商店街をモダンにアレンジしたり、旅館をリノベーションしたり様々な努力をしています。
実際私達が温泉ラブになったのも、この努力の結果、素敵に変身した街を見たからでしょう。
しかし!
鳴子温泉はというと…
私が子供のころとほぼ何も変わってないどころか、シャッター降りまくり、廃業しまくりですよ。
せっかくの泉質を持っているのにもったいないです。
起爆剤を持った風雲児が現れてほしいと地元出身者としては願うばかりです。
頑張れ鳴子ー
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