こんにちは!たびなすびのちかです。
半年に一度の帰省のたびに行く、ドライブ温泉旅館宿泊旅行。
メンバーは私の両親、夫、そして私の4人です。
今回は山形市の南に位置する上山市が有する『かみのやま温泉』を訪れることになったときの話です。
両親と私は生粋の東北人なので、山形へ行くことにほぼテンションがあがりません。
3人であったなら、とっとと温泉に向かい宴会を開いていたことでしょう。
しかし、私たちには東京生まれ(育ちは都内ではない)の夫というゲストがいるのです!
父の提案により、きっと家族だけだったら即却下されていたであろう『山寺』観光を寄り道としてルートに加えることとなりました。
山寺は正式名『宝珠山立石寺』といい、松尾芭蕉の俳句にも読まれた名所で、山形を代表する観光地です。
東北の夏を甘く見てはいけない
山形といえば、蔵王連峰を有する東北日本海側の豪雪地帯。
冬の寒さは厳しく、仙台から走っている仙山線は、山形に入ると景色が一変するほど。
そのような山形の風土を表してか、今まで私が出会った山形県民は総じて控えめで我慢強く、しかし物腰は柔らかな癒し系でした。
過酷な自然環境にも辛抱強く耐え、周囲と協力し越冬してきた歴史がそうさせたのでしょうか。
一方、東北地方に所属している割に意外と雪も降らず、冬場も気温がそれほど下がらない宮城県は、口だけ達者な軟弱もの(サンプル:私と友人と親戚)が多数存在し、同じ東北人とは思えません。※以下米印は個人の感想
仙山線で「山形雪多すぎなんですけどー、うけるんですけどー」と揶揄しているのは宮城県民(の私)、それを聞きながらじっと耐えているのが山形県民です。※
そんな穏やかな山形ですが、
夏が!夏が!
酷暑!
2007年まで日本最高気温記録(40.8℃)を保持していたほどの酷暑。
特に山形市は盆地のため、熱気がたまり気温が上昇してしまうのだそう。
おのれ山形め!
油断させて避暑に来たと思いきや、宮城の気温より5度以上も高いってどういうことよ!
ああ、そういえば山形出身のM君(夫の親友、見た目穏やか癒し系)も、1日一緒にいると数回熱波のような口撃が私に向けられたっけ…。
これもM君が盆地で育ったからなんだ…。※
こんな酷暑に山寺に行くなんて、うちの両親は60年も隣の県で生きてきてなんで気づかないんでしょうか!
ああ、気が乗らない。だって山寺に行くには階段を登らなければならないから…。
1015段も。
いやー!
崖に張り付く山寺と玉こんにゃく
山寺まであと少し、というところで山を見上げると、山肌から黒っぽい歴史ある建物が数軒、屋根を覗かせていました。
山寺とは山道の入り口から続く建物の総称で、一番有名な建物は、階段を上った先にある崖にちょこんとそびえ立つ『五大堂』。そこからの景色が絶景だそう。
クーラーの効いている車内では「絶景見るぞ!」とやる気満々でしたが、駐車場で車を降りたとたん、
もわ~~~~~ん、今日は36度だよ!
という外気に一瞬でやる気を奪われました。
山門とよばれる入り口から山寺へと入っていき、ここからは全ての民が建物を観光しつつ『五大堂』を目指すのです。
入り口を抜けると、数店お土産屋が軒を連ねていました。
その中に山形名物『玉こんにゃく』が。
私「よし(夫)、玉こんにゃくは超有名な山形名物だよ!」
夫「へー、そうなんだ」
私「食べたほうがいいよ、名物だから」
夫「うーん、でも暑いし…」
確かに、なべの中はグツグツ煮えたぎっています。そして今気温は36度…。
でも名物だし…。よしは初めての山形だし…。おいしいし…。
私「すみません!1本ください!」
夫「え!いらないよ!」
私「でも美味しいから!名物だから!」
こうして無理矢理夫に玉こんにゃくを贈呈。
汗だくになりながら真っ赤な顔をして「あつい…(この場合、暑いか熱いか不明)」玉こんにゃくをほおばる夫を見て、満足したのでした。
快活な60代、疲労困憊の30代
これがさわやかな春なら!すがすがしい秋なら!
一段抜かしでも登っていけるでしょう。
しかし、登れど登れど暑さは増すばかり。いつまでたっても遠くに見える五大堂は近づいてきません。
先ほど玉こんにゃくで水分を外に出してしまった夫などは、もう虫の息です。
それなのに…、
スタスタ前方を歩き、見る見るうちに遠くまで進んでしまう両親。
ええと、この間還暦のお祝いしたので、ふたりとも確か60代ですよねえ…。
ふと周りを見ると、やはりお寺ということで平均年齢が高めですが、私たちをいとも簡単に次々と抜いていきます。
夫「みんな、年なのにすごいね。全然かなわないよ。運動して鍛えてるのかな。」
私「そういう問題なのかなあ。もしかして、年齢的に極楽浄土行きたい的な気持ちの強さが表れてるんじゃないの。ひひひ」
夫「コラ!そんなこといっちゃ駄目でしょ。」
そんなことを話しているとはつゆ知らず、両親は一足先にゴールし、笑顔でこちらに手を振っています。
ちょっと極楽浄土に見えました。
山寺の絶景と交通安全のお守り
両親に遅れること数分、なんとか五大堂に到着。
断崖に立っているため、空中から下界を眺めているような不思議な感覚です。まさに極楽浄土…
ここからは山寺の景色が一望でき、絵に描いたような自然の風景を満喫しました。
ひとしきり山寺を満喫すると、下山。
あんなに苦労した登りとは裏腹に、降りるのは一瞬。あっという間に先ほど玉こんにゃくをかったお土産屋さんに着きました。
そこには山寺のお守りも売っており、最近運転免許を取り車を買った夫のために父が交通安全のお守りを買ってくれるとのこと。
住んでいる韓国にはお守りという概念があまりないため、日本のお守りがあれば心強い!
韓国は運転も荒いし、気をつけないとね。とちょっと大きめのものを選びました。
お守りを襲った悲劇
車に戻る前にお昼を済ませようと、蕎麦屋さんに入り、山寺の感想や、玉こんにゃくの話などをしながら談笑。
お腹が一杯になったところで、温泉まではちょっと時間がかかるということでここで全員トイレを借りていくことにしました。
私も最後にトイレに入り、さてと…、と水を流すと同時に立ち上がると、
チラッ(水没したお守り)
ザザザーーーーーー(水の音)
え…?
ええええええええええええええええ??????
チラッと見えたの何?お守りっぽかったけど何?
え、え、え?
お守り…、確かそう、すぐに車に乗ると思って後ろのポケットに…
ない(泣)
しかしもう跡形もない。
おいおい、よりに寄ってトイレに流しちゃったよ…。
ひとまず気を落ち着け、平然を装い外に出て駐車場へと向かいました。
でも…、一人で秘密を抱えられない!
私「ねえねえ、大変なことが起こった!」
夫「…、なに。また何かやらかしたの?(バレてる)」
私「さっき買ってもらったさあ、お守りあるじゃん…」
夫「…?」
私「トイレに落っことしちゃった!」
夫「えええ!」
私「しかも目撃したのは一瞬だけで、もう流れていっちゃった!」
夫「ええええ!ないの!」
私「大丈夫かな、バチとかさ…」
夫「当たるならちかだけだよ。もうバチあたったほうがいいかもよ、この際。」
私「ひええ…、やだよ…」
すると、母が突然振り返り、
「どうしたの?何かあった?」
と聞いてきたので、
「何にもないよ!!問題なし!」
といいつつ、自分の今後を案じていたのでした。
今のところ無事です!
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