こんにちは!たびなすびのちかです。
韓国生活もなんと10年となり、街中で幼児を見かけると、「この子達より韓国に長くいるんだ…」と感慨深くなります。
慣れない韓国生活が始まった当時は、カルチャーショックも頻繁に発生し、なかなか苦労したものです。
しかし、10年も経った今となっては、多少のことでは心を動かされることはなくなりました。
グローバルにみればほぼ同じ文化
日本と韓国は近くて遠い国、と言われますが、歴史的な問題を除けば、本当に近い国。
文化的には非常に似通っています。
以前アフリカやヨーロッパに旅行した際には、観光地にあまりに多様な国籍や民族が集まっていたため、日本人と韓国人の違いなど、重箱の隅をつつくように探さなければ見つけることはできませんでした。
挨拶の仕方や会話の始め方、遠慮の仕方、席の譲り方などは非常に似ていましたし、カルチャーショックを受けるポイントまで同じ。
海外で出会うと、最も親しみを感じるのが韓国人だった、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、どんなに文化的に似ているといっても、同じ重箱の中に住んでいれば、隅っこでの違いも気になってくるものです。
~実録、Cさんが爆発するまで(インタビュー形式)~
ーCさんよろしくお願いします。一体何があったのでしょうか。
その日、私はすでにイライラしていました。
職場でのクレーム処理に追われていたのです。
ー普通のクレームとは違ったのですか?
はい、クレームというかお願いなんですが、無理すぎるお願いなんです。
実体の無いものをあるように許可しろ、といった類のものです。
ー韓国ではよくあることですか?
いいえ、韓国でもほとんどの人はそんなことはしません。
ただ、しつこく要求することによって、相手側がそのしつこさに折れてしまい、何とかなってしまう場合があります。
特に、恵まれた家柄の人が多いのですが、両親が権力者である場合、顔が広く物事がスムーズに行くことがあります。
それを子供が見ていて、真似をすることがあるのです。
ー結局どうなりましたか
規則でダメと決まっているので、一点張りしましたが、あまりのしつこさに心が折れそうになりました。
韓国人の同僚も同じような被害にあっていたので、「ああこれか」と思いましたが、実際に体験するととてもストレスです。
ーそれで爆発してしまったと。
いえ、このくらいのストレスだけだったら、大したことはありませんでした。
しかしその日は不幸なことに、立て続けに嫌な目に遭ってしまいました。
気晴らしをしようと、繁華街に夫と車で遊びに行ったのですが、その駐車場がひどかった。
満車なのにもかかわらず、どんどん車を入れるのですが、車が多すぎてどこにとめればいいか、わからない。
そこに登場した駐車整理のおじさんたちが、今回の原因です。
ーおじさんだったから、という意味ですか?
まず、韓国は完全なる年功序列で、客と店員という関係より年齢が重要になります。
例えば、客が大学生で、店員が中年男性であった場合は、上下関係では店員のほうが上。
特に上に立っているほうがそれを強く意識しています。
けんかになっても年齢が上のほうが絶対に勝ちます。
また、まだ男尊女卑の考えが強く残り、家でも社会生活でも男性はとても優遇されます。
そのため、たまに、ある程度年を重ねた男性でそれが態度にでてしまう人がいるのです。
ー実際にどんな目に遭ったのですか?
この駐車整理のおじさんの態度がひどい。
まず、指示を出す際には車体をバンバン力いっぱい叩きながら誘導します。
愛車を突然叩かれたら頭にきませんか?
さらに誘導の言葉は年下と見るや、すべて命令形。
「ヤー!(おい!)そこの軽!右にまがれ!」
「そこに止めるんじゃない!二階に行け!」
などと大きな声でとにかく怒鳴るのです。
ーワンクッションがなく、むやみに怒鳴られるのはあまり気分がいいものではありませんね。
外で仕事をしている以上仕方が無いのかもしれませんが、駐車場に入ったとたん、車体をバンバン叩かれ怒鳴られ続ければ、聞いているだけで気分が悪くなります。
「ああ…、イライラしすぎて頭がジンジンしてきたよ…」
「ちか、おちついて…」
と夫が話しかけてくれましたが、鼓動は早くなるばかりです。
ーご主人は穏やかな方だそうで。
はい、ところがですね、入り口のおじさんの誘導どおりに一番奥の場所に止めて、やっと一安心…かと思いきや、
「ヤー!軽じゃないのにここ止めるな!非常識者が!!」
と後からやってきた軽の運転手に怒鳴られました。
…は?と思いましたよ。
実は私たちの車はコンパクトカー(フィットみたいな)で、駐車整理のおじさんがここでもいいと誘導したのでしょう。
しかし、軽の運転手は自分がそこに止めたいあまり、そう言って来たのです。
そう、その人も20歳は上であろう、年上のおじさんです。
「なんなんだよ!!!!」と私がキレそうになった瞬間、
「○×△☆♯♭●□▲★※!!!!○×△☆♯♭●□▲★※!!!」
主人が英語でめちゃめちゃキレていたのです…
ーあの穏やかで、ちかさんが神と呼んでいるご主人がですか。
相当理不尽を感じたのでしょうね。
静かに爆発するタイプのようですよ、彼は。
まあ、でもこの英語というのがミソで、韓国の若者に対しては上から目線の韓国親父ですが、外国人となれば話は別で韓国ルールが崩れます。
韓国語を封じられちょっとひるんだ運転手は、精一杯
「モヤ…(何だよ)…ノー! ヒヤ…ノー!ゴーゴー!」
片言の英語で困り顔。
「面倒だから、もう二階に行こうよ。」
なんと私が夫をなだめるという稀有な体験をしました。
ーちかさんがご主人をなだめるなんて、スーパーミラクル体験ですね。
そうですね。
一方がキレると冷静になれるのだと学びました。
二階に上がると駐車スペースに余裕があり、やっととめることができた私たちだったのですが、
更に第三の親父が登場したのです。
「なんで軽が二階に来たんだ!ここは普通車専用だぞ!」
と。
私、とうとう大爆発しましてね。
ーとうとうですね。でも普段のちかさんからすると遅すぎた感じもしますが。
多分いちど主人が爆発したからでしょうね。
「だから下にとめようとしたら、軽じゃないから二階行けって言われたんですよ!!!なんなの!この駐車場!いい加減にしてよ!!!」
と大声で叫んでやったんですよ。
そしたらですよ、その親父、
「そうなの?」
平気な顔なんですよ。
普段怒鳴りまくっている親父には、私の叫びも普通の会話にしか聞こえないらしくってね。
ー彼らにとっては、全て悪気があったわけでもなく自分たちなりに行動してたと。
そうなんです。
特に韓国の中でも釜山は語気の荒い地域で有名で、さらに駐車場は港や市場などの下町地域だったので。
ただ、わかってはいても精神状態によってはイライラしてしまうので、この場所を選んだことが失敗だったのかもしれません。
ー他の韓国の方はいかがでしょう。
すごく共感してくれると思います。
特に若者や女性が苦労している場面によく遭遇しますから。
話し合いをしたくても、年齢や性別によって怒鳴られるので気分を害してしまうのです。
ただ、その際にも
「お前、何歳だ!!」とか、
「女のくせに!!」と言われるとどうしようもないですよね。
韓国人でも大半の方は親切で優しい方なんですが、一回でもそんな境遇に出会ってしまうとイメージが悪くなるのでもったいないです。
ーそうですか。お疲れ様でした。
こんなに頭にきたのは、数年ぶりなので、体調も精神状態も悪かったのだと思います。
普段からこのような目に遭うわけではないので、ご安心を。
韓国的年功序列を切り抜けたければ
日本人は韓国人と同じ見た目をしているため、韓国の年功序列制度に組み込まれることが多いです。
ただ、10年前より年をとった私は、若者から信じられないほど丁寧に接してもらえる場合も多いし(シルバー的にではない)、韓国社会からは信頼されるという点では年を重ねたメリットを享受しているので、一概に悪い制度だとは言えません。
万が一年功序列の理不尽現象に遭遇し、精神的にちょっとよろしくない場合には、とにかく外国人アピールが一番!
そして穏やかな一日を過ごしましょう~。
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