韓国暮らし

韓国カフェ文化の驚きの変遷と経済背景|高級ホテルの衝撃コーヒーから始まった物語

a coffee machine sitting on top of a counter

2016年6月

こんにちは!たびなすびのちかです。

遡ること十数年前、韓国の5つ星ホテルである、ロッテホテルのカフェで知り合い(韓国人)と落ち合うことになっていました。

こんな高級ホテル、日本でも入ったことがないわ…

若かった私は多少気後れしましたが、費用は知り合い持ちだということで心置きなくコーヒーを注文し、知り合いが現れるのを待ちました。

コーヒーの概念を吹き飛ばす韓国コーヒー

しばらくして、うりざね顔の韓国美人ウェイトレスが私の前にコーヒーカップを置きました。

…麦茶かな?

一瞬そう思ってしまうほど、ほんのり茶色の液体。

いや…、違う。麦茶じゃない。だって香りが、バニラエッセンス。

甘すぎる香り立ち込める麦茶もどきを眺めながら、私の頭のなかは、はてなマークでいっぱいになりました。これは一体何なのか。

「エクスキューズミー」(まだ韓国語ができない)

「はい、何でしょう?」

「あの、これ、何ですか?」

「コーヒーです。お客様はコーヒーを注文されましたよね?」

「あ、あ、はい…すみません。コーヒーですか…」

コーヒーだってよ!どう見てもバニラ麦茶ですが、はっきり言われてしまったので仕方がありません。飲みます。

薄っ・・・ほぼお湯。そして鼻をつんざくバニラの香り…その後、知り合いが現れると事の顛末を話しました。

韓国人はミックスコーヒー以外はあまりコーヒーに馴染みがないので、薄くしないと口に合わない。日本のコーヒーは私でも無理だったよ。そして、香りがすると高いもの、と感じる人が多いんだ」とのこと。

なるほど。そういう背景があるなら仕方がありません。

しかしこの麦茶コーヒー、15,000ウォン(約1,500円)。

自腹だったら文句たらたらだったでしょうが、おごってもらったので微笑ましい文化体験エピソードとなりました。

180度変わった韓国コーヒー文化

それが今やどうでしょう!街を歩けばカフェに当たるどころか、カフェしか無い!

職場の同僚に至っては、「韓国人って、何でこんなにコーヒーが好きな民族なんでしょうかね〜?」この変わりよう!!

釜山の渋谷と言われる(命名私)ソミョンの『カフェ通り』と呼ばれるエリアには、100メートル四方に約40軒あまりのカフェが集まっています。

また、海に面した釜山のビーチ沿いはカフェ密集地。

海雲台(ヘウンデ)ビーチには約40軒、広安里(カンアンリ)ビーチには約50軒、一般的な街中には無いでしょう?いえいえ、私の家から500メートル圏内に27軒ありました!

しかも、半数以上はまだ開店1年にも満たないホヤホヤカフェなのです。韓国人がコーヒーが好きだからカフェが多いのか、カフェが多いからコーヒーが好きになったのか…。

不況に伴う起業が増えた

では、なぜこれ程までにカフェが増えたのでしょうか。

それは、韓国人の独立起業の多さにあります、たぶん!

韓国の会社員は、大企業に入らないかぎりとても不安定で激務です。日本のブラック企業も真っ青な働きっぷりで、なかなか長く働くことは難しいのです。

さらに、幸運にも大企業に入った場合でも、なんと肩たたきは45歳くらいから始まります。

韓国の男性は兵役義務があるため結婚が遅く、まだ子供が小学生という場合も多い時期。しかし韓国の教育費はとても高額です。

転職するにも給料は芳しくない…

「よっしゃ、店だそう!」となります。

最近では韓国は史上最悪の景気の悪さともささやかれるほどで、若者の就職口もありません。公務員になるか、大企業の狭き門を目指すか、身を粉にして働くか…

「よっしゃ、店だそう!」

若者から高齢者までが店舗経営を目指すため、韓国はオーナーでいっぱいです。

生き残りの難しいカフェ戦争

韓国人は団体行動が大好きで、割り勘文化がありません(若者の間では増えてきましたが)。

例えば、ランチへ行きAさんが支払いをした場合、Bさんが次の支払いをするのが礼儀です。

しかし、後日に持ち越すのも面倒なため、その日のうちに借りを返したい。

「じゃあ、この後のコーヒーは私が」と、Bさん持ちで食事後に出向くのに、カフェがとても便利なのです。

そのような文化的背景も相まって、カフェが浸透したのではないでしょうか。

といっても、いくら韓国人がコーヒー大好きになったとはいえ、これほどまでにカフェが増えてしまっては、すべての店が成功するわけではありません。

雨後の筍のように、次から次へと新しいコンセプトのカフェができる韓国のまち。

客としては、工夫をこらした素敵なお店ができるのを見るのは楽しいですが、その頑張りも続かなくなり、工夫をこらした壁が薄汚れ、ケーキの種類が減り、店主の覇気がなくなっていく店を幾度と無く見かけました。

数カ月後、前を通ると新しい別の名前のカフェが…。

現代版栄枯盛衰…厳しい!

でも!私はオーナーさんには是非とも頑張ってもらいたいのです!

超人気店以外は結構空いており、店舗面積が日本のものよりもかなり広いため、一人で4人席を独占しても問題ない場合がほとんど。

海を眺めながら、コーヒーとケーキで半日いても店員さんと顔を合わせることもありません。Wi-Fi無料が基本なので、使い放題。

日がな一日、ネットでドアラの動画を見ながらニヤニヤしても誰も文句を言わない!どころか、隣の男の人2時間ぐらい寝てるしね!素晴らしい…。

やっぱ韓国のカフェ文化最高だわーーー潰れないで!

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