こんにちは!たびなすびのちかです。
本格トレッキングの玄関口ポカラで、ミニトレッキングで満足しダラダラと過ごしていた私たち夫婦。
ほっつき歩くのは大好きなため、まず朝ごはんを食べると徘徊に出かけます。
大体何かに出くわすため、気が乗ればそれをやってみます。
私の気が乗り、夫の気が進まない場合は
「え〜?いま?う〜ん・・・」
と言われるため、そんなときは大体一人で行動します。
夫の気が乗り、私の気が進まない場合は
「ちか、ここで待ってていいよ、おれ、行ってくるから」
と言われますが、残ってもしょうがないのでしぶしぶ一緒についていき、文句を言います。
結論は夫が自分勝手ということです。ひひひ。
ペワ湖の船着場で適当な客引きに当たる
その日もポカラの中心にある『ペワ湖』の周りをダラダラ歩いていました。
湖のほとりにあるおしゃれなカフェやレストランを横目に、
「欧米人はピザ一人一枚なんだね」
「でもさ、味同じだと飽きるよね」
「交換とかするのかな」
「しなそうー」
とくだらない会話をしていると、船着場を発見。
暇なので近づいてみると「どこ行くの!」とおじさんが声をかけてきました。
聞くと、ここから出る船は湖のタクシーのようなもので、行き先を言えば湖岸であればどこでも連れて行ってくれるようです。
対岸を見上げると、山の上に白くて丸い建物があったので「じゃああそこに行こうかな」というと、往復で720ルピー(約720円)とのこと。
交渉が成立したかと思いきや、おじさんが「2時間で戻ってきてね」と。
山に登って降りて2時間!?目測で登るだけでも1時間はかかりそうな高さなのに?
夫「えー、1時間ならいいや歩いていくわ」
じ「歩いては遠い遠い!船で行け!」
夫「そんなせわしないのは好きじゃないんだよー、悪いけどいいわ。」
じ「じゃあ、何時間ならいいんだよ。」
夫「うーん、今1時だから5時くらいに帰りたい。」
じ「OK、5時!じゃあこっちに来て。」
よかった!4時間あるなら余裕をもって観光ができそうです。
全く伝わってない制限時間
おじさんは、アラフィフと思われるおばちゃん船頭さんの船へ私たちを誘導すると、おばちゃんに耳打ちをしました。時間のことを言っているのでしょう。
おばちゃんはうんうんと頷くと私たちを船に乗せ、ライフジャケットを着るよう促しました。
ジャケットの装着を終えると、船は出発。十数分ほどで対岸へ到着しました。
するとおばちゃん、
「今1時半だから3時までに戻って来い」
伝わってない…
じゃああの耳打ちは何だったの…
だからといって、山道往復を1時間でこなすなんて嫌過ぎる!
「おばちゃん、悪いけどさあ5時って許可取ってるから5時に迎えにきてよ」
「5時!?」
目を丸くし、倒れそうになるおばちゃん。
「○▼※△☆▲※◎★●!!!!!○▼※△☆▲※◎★●!!!!」
と多分ネパール語で何かを訴えますが、全くわかりません。
「じゃあさ、おばちゃん。戻ってこなくていいよ。私たち歩いて帰るから。ね。」
と言うと、理解した様子のおばさん。
往復分の料金を払ってしまいましたが、仕方がありません。
憎きおじさんはおらず、いるのは騙された被害者のみなのです。
船を降り、山を登り始めると湖岸に船頭おばちゃんが見えました。
手を振ると、おばちゃんも振りかえしてくれました。
日本人大好き日本人
このくらいのハプニングはよくあることなので、10分でそんなことも忘れ山道を進んでいくと「地球の歩き方、ネパール」を持った若い男性が降りてきました。
実は2週間のネパール滞在中、一度も日本人に会っていなかったのです。
日本から来たのなら日本人が少ない場所のほうが非日常感が出ていいのでしょうが、私たちは韓国在住の身。
更に今回は日本帰国をせずにネパールを訪れたため、日本人に会えるのが嬉しくてたまらないのです。
さながら、日本マニアの外国人のよう…。
「こんにちは!!!!」
満面の笑みで挨拶をかける夫婦
「…こ、こんにちは」
戸惑う男性。
夫「あの、歩き方持っていらっしゃるので!」
日「ああ、そうか…。これからですか。」
夫「はい!結構かかります?上まで」
日「いや、20分くらいですよ、俺の足で。どちらからですか?」
このようなやり取りをすること10分。
夫は彼と連絡先まで交換し、今晩一緒にご飯を食べることに。グッジョブ!
旅先というのは不思議なものですね。これがもし日本の街中であれば、確実に怪しい二人…。
満面の笑みで大声で挨拶する中年夫婦…。
手相か同好会を装った布教だよな…。
しかし、ここはネパール観光地。最終的には和気藹々と雑談し別れました。
会話中年齢を聞かれ、夫が答えると、「わっか!!!タメだと思いましたー」と言われ(6つ下だった)、上機嫌。
テンションのあがった夫は足早に山を登り、頂上に着くと同時にバテバテで死んだように動かなくなりました…。
後日彼は大企業の敏腕営業マンだと判明するのです。
さすがや!
ポカラの山の中に日本寺『ワールド・ピース・パゴダ』
1時間ほどの道のりを歩き、山の頂上にあったのは『日本山妙法寺(ワールド・ピース・パゴダ)』。
なんでここで日本寺…?黄金に光り輝くそれは全く日本の寺に通ずるものがないんですけど…。
日本山妙法寺大僧伽は日蓮系の宗教団体で世界各地で平和運動を展開し、ここポカラにも平和を祈る仏塔、世界平和塔が建立されました。(西遊紀行サイトより引用)
なるほど、公的にはあまり関係ないようですね。
ここからはヒマラヤ山脈をバックに湖を下に町が一望できます。
ただヒマラヤの前にサランコットの丘がドーンと存在感を表しているため、ヒマラヤの迫力を楽しみたいならサランコット、ポカラの町とヒマラヤの調和を俯瞰で楽しみたいなら妙法寺(ピースパゴダ)がおすすめ。
お寺の横にそびえる丘にはネパールにはおよそ似つかわしくないホテルがあり、門番のおじさんに入ってもいいか確認すると快くOKしてくれたので、中のカフェテラスでお茶をすることにしました。
人っ子一人いない…。
そこはお寺より高く、鳥の鳴き声だけが耳に入り、目の前に遮るものが何もない絶景に心地よいソファ(ネパールでは貴重)。
1時間寝ました。
気が付くともう5時前!
暗くなる前に帰りましょう。サランコットの二の舞は勘弁です。
(→【ネパール:ポカラ】サランコットを丘となめたらいかんぜよ)
おばちゃん待ってたーー!
下山は登りとは比べ物にならないほどスピーディーで、ものの30分もしないうちに湖岸へとたどり着きま…
…
船頭おばちゃんいた!!
湖岸は日の傾きとともに山の陰になり気温は低下。
船着場でライフジャケットを防寒具に震えています…。
「おばちゃん!迎えに来なくていいっていったじゃん!」
「○▼※△☆▲※◎★●!!」(わからない)
「ありがとうね!サンキューね!」
そういうと、船に乗り込み街へと向かいました。
よくよく聞くと、おばちゃんは何と街側に戻らずに4時間ずっと湖岸で待っていたのだそう。
男だったら行き来ができるけど自分は体力がないから一日一往復だけと決めているのだと。
私達が乗って帰らないと片道料金しかもらえないから、4時間待っていたのだと。
だからチップをよこせと。
いやいやいや。何で?
乗せて帰らなくても私達は往復料金払ってるし、結局今乗って帰ってるし、最初に帰り5時の約束で乗ったし。
と説明すると、
「○▼※△☆▲※◎★●!!○▼※△☆▲※◎★●!!○▼※△☆▲※◎★●!!」
すれ違う船という船の船頭さんに叫ぶわ叫ぶわ。
きっと
「この客さ!4時間も帰ってこなかったんだよ!だからさ!4時間震えながら待ってたのにさ!1ルピーのチップも払わないケチなんだよ!」
と言っていますね。
しかしねえ、考えても見ればおばちゃんも客引きにいいように使われちゃったんですよね。
私「おばちゃんも可哀想だよね」
夫「うん、あの湖岸に4時間はどう考えても辛いよね」
私「チップあげようか」
夫「そうだね、気持ちだからねこれは」
私「いくらあげる?」
夫「100ルピーくらいでいいんじゃない」
100ルピーは約100円ですが、ネパールの平均月収が10000〜15000ルピーなので、体感的には2000円くらいです。十分でしょ?
夫「あ、500ルピー札しかない」
私「え」
夫「チップにお釣りってもらえないよね」
私「いや、聞いたこと無い…」
夫「あとは小銭で10ルピーしかないよ」
私「10ルピーはいくらなんでもねえ。でもあげたいしねえ。でも500ルピーって、体感1万円くらいだよ。」
夫「しょうがない!この際!」
というと、夫はおばちゃんに「今日はありがとね」というと500ルピー札を渡しました。
ピタッ…
と鳴り止むおばちゃん文句の叫び。
「サンキュー…」
超小声でハニカミながらポケットにしまうおばちゃん。
そこから態度は180度転換し、ネパールの歌メドレー、ポカラの景色案内などなど様々なおもてなしが始まりました。
数十分後、船着場につくと管理人のおじさんに「こんな時間まで大変だったな」的な労りの言葉をかけてもらったらしいおばちゃん。
しかしおばちゃんの返事は、超笑顔で「ぜーーんぜん、問題なし!」(推測)。
船を降り、改めておばちゃんにお礼を言い船着場を後にしました。
少し歩いて振り返ると、まだこちらを見ながら笑顔で手を振るおばちゃん。
チップってすごいな!
ポカラ旅行者の皆さん、チップの相場あげちゃってゴメンナサイ!
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現地人も絶対マスク!カトマンズの大気汚染は絶対北京を抜いている
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カトマンズのこだわり和食ネパール人シェフの日本在住歴は私より長かった