ネパール

【ポカラでミニトレッキング】サランコットを丘となめたらいかんぜよ

こんにちは!たびなすびのちかです。

前回ネパール人に富士山を裏山と言われてしまい、改めてヒマラヤの偉大を痛感した私たち。

そのトレッキングの玄関口であるポカラで、ちょっとした散歩がとんでもないことになるのです。

そのとき丘は丘に見えた

ポカラの町からヒマラヤの山々を見るときに、町と山の間にちょっとした丘があります。

その丘の名は「サランコット」。宿のオーナーによると、丘の上から見るヒマラヤ連峰の眺望は臨場感満点ですばらしいとのこと。

私たちはその日、散歩に出て、湖沿いを30分ほどテクテク歩いていました。すると、湖の反対側の山の入り口に、サランコットへと続く道を示す案内板を見つけたのです。

オーナーの言葉を思い出し、丘なら2〜3時間もあれば帰ってこられるだろうと、迷いなくサランコットを目指し歩みを進めました。

Photography by YOSHI

ネパールの子供はスイーツがお好き

ところが、行けども行けども斜面は続き、すれ違うのは牛とヤギ(飼い主なし)。

たまに出会う人間は「スイーツちょうだい。」という子供ばかり。観光客は皆無です。

この辺はポカラの町より田舎のため、あまり外国人には出会わないようで、「ねえ、アメリカ人?」と黒髪黒目ちんちくりん体型の私に話しかけてきます。

「日本人だよ」というと、「へえーじゃあスイーツちょうだい」と脈略のない会話を何度も繰り返さなければなりません。

ほとんど食料を持たずにサランコットを目指した私たちは、途中で持っていたわずかなお菓子も全て食べてしまったため、子供達にあげるものはもうありません。しかし、彼らも目ざとく、

「あるじゃん!これこれ!」

激辛フリスクを指差しました。あまりの子供達のしつこさに若干辟易していたため、(しめしめ)と思い、

「これね、超辛いんだよ。それでもいいの?激辛だよ。」

と注意をし、それでもほしいのだと彼らがいうので、一粒づつ分けてあげました。

うげえええええええ

そりゃあそうでしょう。注意したじゃん。

Photography by YOSHI

そんなこんなありましたが、まだまだ頂上にはつきません。

丘から見るヒマラヤは想像を超えていた

Photography by YOSHI

ただただ普段着で足を滑らせたりしながら黙々と登っていただけなので、面白いことは何一つ起きませんでしたが、4時間後、何とか頂上にたどり着きました。

やたら休憩したり、ダラダラ文句を言ったりしていたので、体力がある人が準備をして登ればこんなにかからないと思います。

私たちは散歩のつもりで登っちゃったので、こんなことになっちゃったみたいです…。

兎にも角にも頂上からのヒマラヤの眺望の素晴らしいこと!

私たちが普段山と呼んでいるものとは全く違います。

とてつもなく巨大な岩が空に向かって突き刺さっています。そこには生命を感じるものは全くありません。青白くそびえ、空を覆わんばかりの大迫力です。

Photography by YOSHI

あそこを登ろうと思うなんて正気の沙汰とは思えません。生命を拒否するような雰囲気が感じられ、地元の人々が信仰の対象とするのもうなずけます。

すさまじいわ…と私も自然と拝んでいたときのこと、

ブーンブーンとモーター音が聞こえます。

 

ジープタクシーありました。

 

ヒールで降り立つ中国人観光客…

いいえ、自力で来たからこその景色が私には見えているはずです…

夜の山道で花を摘む

サランコットのメインイベント、夕焼けに染まるヒマラヤの峰々を堪能し、自然の奥深さを感じた私たち。迷っています。

タクシーか、徒歩か。

タクシーに乗りたいのはやまやまですが、片道だと往復の2倍の料金をとるというのです。一人1500円だから、二人で3000円。私たちは1泊800円の宿に泊まっています。

いくらなんでもボリすぎです。ホイホイ払ってしまうのも癪に障りますしね。私たちはタクシーを断り、下山を始めました。

しかし、徒歩で待っているのは外灯のない山道、日は沈んでしまったので暗くなるのは時間の問題。

持てる力を振り絞り、えっさえっさと降りていきます。

とはいえ、登りに4時間かかった道です、結局途中で真っ暗闇になってしまいました。本当に真っ暗何も見えません。頼りはiPhoneのライトのみ。

何も見えませんから、今どの辺なのか、あとどのくらいで着くのか、見当もつきません。

 

トイレ行きたい…

もうちょっと頑張ってくれ、自分!

…しかし、残念ながら生理現象ですから、背に腹は変えられません。

不本意ながら夫にその旨を伝え、どこが目隠しかもわからないので、その場で用を足しました。

その最中、ネパールでは野外トイレのことを「花を摘む」っていうんだよな…。何てことを思い出していました。

きっと一瞬でも明かりに照らされたら、道のど真ん中で花を摘んでいる私が夫から丸見えになったことでしょう。真っ暗闇に感謝です。(ちなみにどちらかは明かせません、うふ)

すっきりした顔は見えませんが、その後何時間か必死に下山し、午後10時、やっとのことで宿へと到着したのでした。

やったよー!

 

後日調べると、サランコットの丘は標高1600メートルでした。

丘じゃないじゃん!