こんにちは!たびなすびのちかです。
夜遅く、友人からメッセージが来ました。
友「明日市場に行かない?」
私「うんいいよー」
友「じゃあ、いつもの時間ね!」
私「オッケー、ところで今何してんの?」
友「今日は一日中家にいたから、今から自転車で外の空気吸ってくる!」
私「え、今から!?」
只今の時刻、
午後9時。
私でも夜の一人散歩は怖いのに、彼女はアラブ系イスラム女性
日本なら全然問題ないですが、ペナン島は安全とは言え気が抜けません。
私「え、もう外暗いじゃん、大丈夫?」
友「でも行きたいんだもん、気をつけて行ってくる!」
私「あんまり暗いとこ行かないでね!人いないとこも!」
友「オッケー!」
そんなに心配ならお前も行けよ、って感じでしょうが、私はプールから上がったばかりでとてもじゃないけど自転車はちょっと…。
トライアスロンじゃん…。
さも勇敢な感じの彼女ですが、実は、
イエメン人のイスラム教徒。
イエメンは戦争中なので、マレーシアに避難しています。
夫婦で滞在していたのですが、ご主人が最近中東の大学院に編入できたので一足先に旅立っていき、現在彼女は一人暮らし。
そんな彼女が夜に一人で自転車を走らせるというのでちょっと心配になりました。
でも彼女の口ぶりからは全く問題なさそうなので、
「何か合ったら連絡して!スマホ持ってってね!」
だけに留めておいたよ。
アラブの国では女性は自転車に乗りにくい
翌日。
彼女に会ってそうそう、
「昨日は問題なかった!?」
と尋ねると、
友「全然!一応コンドの周りを30分位走っただけだから。まだセキュリティもいたし。」
私「まあ、ならいいけどさ、時たま変なニュースもあるから気をつけてよ〜」
友「うん、でも私、自転車に乗るの、本当に大好きだから!」
私「便利だしね。」
友「便利っていうより、自由!って感じしない?どこにでも行ける!っていう…」
私「自転車が?そこまで考えたことないよ、ただの乗り物だし。」
友「そう?私、ここ以外で最後に乗ったのって、10歳のときだもん…。」※彼女はアラサー
私「10歳!?超昔じゃん!」
友「日本って自転車よく乗る?」
私「『よく乗る』レベルじゃないよ、小学生から車の免許取るまでずっと常に皆乗ってるよ。」
友「へえ!」
私「私なんて中高6年間ずっとチャリ通だし。」
友「いいなー、
私イエメン帰ったらもう乗れないし。」
私「え、何で?道路怖いの?」
友「女の人は自転車乗ったらダメな雰囲気がある…」
私「あそっか、イスラム的な…」
友「しかもイエメンのスカーフは足首まであるから、そもそも引っかかって乗れないし…。」
私「なるほど!」
友「だから、今が私のフリーダムなの!夜に一人で自転車散歩なんて夢みたいだわ…」
…なんかさ。
文化違いすぎ!!!
日本で同じことが起こったら、社会システム止まるよね。
女性はアラブ的服装でいないと他人の目が厳しい
彼女のご主人は全くムスリムっぽくなくて、中東出たらあんまり気にしなくていいよね、って感じのお気楽ムスリムです。
なので、私達と会うときには私達と何ら変わらない恰好。
家のそばではスカーフもかぶってないので、彼女がムスリムだってことをよく忘れます。
食べ物にはさすがに気を使いますが、彼女は豚が入って無ければあまり気にしません。
けど、イエメンはかなり厳格なイスラム国家だそうで、
もし国に帰ったら目しか出てないヒジャブ(スカーフ)をかぶってアバヤ(黒いマントみたいなやつ)を着なければならないし、
イスラム教に則った生活が基本らしい。
彼女にしてみれば、マレーシアのペナン島生活は、ムスリム国家とはいえかなりカジュアルで非ムスリムも半数以上なので、夢のような生活なんだって!
私達が住んでいるコンドの前には芝生が敷かれたスペースがあるんだけど、
「そこに座って、
傍らに自転車を置いて…
一人で海に浮かぶ月を眺める…
この世の自由よ!!」
と彼女の弁。
「イエメンでも違法ってわけじゃないけど、他の人が『あの人自転車に乗ってるわ』とか、家族が『乗るの止めなさい』ってうるさいからできないし、したくないの。」
なるほどねー。
日本でもよく、他人の目が気になって尻込みする、とか言いますけど、彼女にもそんな葛藤があるとは!
イエメンは大好きだしイスラム文化も尊重するけど、たまに鬱屈するときがあるんだって。
比べる外国って欧米先進国になりがちですが、文化背景は多種多様ですね(当たり前だけど改めて思った)。
これから日本で夜中に自転車でコンビニとか行くときは、「自由なんだ…」って思いながら行こう…。
そして、
写真撮って彼女に送ろう!
羨ましがらせるために…。
↑やめろ
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