こんにちは!たびなすびのちかです。
遡ること十数年前、東京で一人暮らしの部屋を探していた田舎者の私は、家賃の高さにそりゃもうびっくりしたものです。
とりあえず、実家には一軒家住みの友人しかおらず、自室もしくは友人の部屋より明らかに狭いワンルームが、
ななまんえん…
管理費込みで、
はちまんえん…
「ええ…、こんな古くて狭くて景色もない部屋にこんなに払うの…。」
とドン引きでしたわ。
東京の人ってお金持ちなんだわーと思っていましたが、社会人になりあまり給料は変わらないことに愕然。
東京暮らしはなかなかサバイバルなのでした。
家賃いらないって何よ
日本のみならず、世界各国でも支出の割合として多くを占めている住居費。
それが、韓国ではタダだって言ったら、どう思います?
あ、騙されてるわ。
と思いますよね。
しかし、この家賃タダシステムが実際に韓国の主流システムとして存在するのです。
その名も、
チョンセ
漢字で書くと『伝貰』。純粋な意味は、貸し切り、とか専有。
韓国の不動産屋さんに行くと、店の前に幾つもの不動産情報が張り出されており、
「売買」「チョンセ」「ウォルセ」
の3タイプに大きく分けられます。
以下、「」内は張り紙の文字。
「売買、ロッテアパート、33坪、3億5千万」
⇒ロッテアパートの33坪の部屋を3億5千万ウォンで売りますよ。
「チョンセ、ロッテアパート、33坪、3億」
⇒3億預けてくれれば、契約期間内(大体2年)住んでいいですよ。
「ウォルセ、ロッテアパート、33坪、保証金5000万、ウォルセ50万」
⇒5000万ウォン預けてくれれば、家賃50万ウォンで住めますよ。
このように、同じアパートでも大家さんの意向によって、様々なスタイルで住むことができるのです。
賃貸で住む場合は、チョンセかウォルセの2タイプがあり、ある程度お金がある場合はチョンセを選ぶとお得。
上記の場合だと、3億の預け金を2年大家に貸し、契約終了時に全額返金してもらいます。
※返金トラブル解消のための「チョンセ保険」なるものも有り。年間保険料を支払うと、返金されない場合に同額の保険料が下りる。
なぜこんなシステムが可能なのか
ここまで聞いてても信じられない!
だって、2億預かったからって大家に何のメリットがあるのさ!
しかも全額返金するなんて…。
と思ったあなたは、日本の銀行にお金を預けてますね。
最近の韓国では定期預金の金利がだだ下がりし、国民にえらい文句を言われております。
「利率が1〜2%台になっちゃってさあ…」と。
たけえ!
そうです。日本の金利の低さは異常。手数料の方が高いですからね。
これでも結構下がったほうで、私が韓国に来た当初の十年前は、
7%
先月3年満期で解約した定期も、
3.5%
だったんですよ。
※全て年利
仮に7%だったら、大家さんが3億ウォン預かると、一年で2100万ウォン(!)手に入る計算。
しかし、最近だだ下がりの金利により、収入は激減。
そのため家賃制度であるウォルセを採用する大家さんが激増しました。
チョンセを一度利用すると、ウォルセに抵抗感
韓国のウォルセも面白いもので、保証金と言われる大金をまず預けて(全額返金される)、それにより月々の家賃が決まるシステムです。
例えば、
「Aワンルーム、15坪、保証金500、ウォルセ50」
「Aワンルーム、15坪、保証金600、ウォルセ45」
「Aワンルーム、15坪、保証金700、ウォルセ40」
と、同一の部屋でも保証金をあげることにより、ウォルセ(家賃)が安くなることもあります。
これは大家との交渉次第。
最近は金利のメリットがなくなりつつあるので、家賃を多めに大家さんが増えていますが。
チョンセを一度体験した身からすると、このウォルセシステムがまあもったいない!
「なんで家賃払わなきゃいけないの?」
という、なんとも頓珍漢に思える発言をしてしまうほど。
最近は売買価格とチョンセ価格がほとんど変わらなくなってきており、チョンセ制度自体が成り立たなくなる可能性もありますがね…。
とはいえ、金利もほぼ無し、不動産も上がる気配なしの日本からすると、ちょっと夢のあるシステムなのです。
【韓国の面白カルチャーに戸惑う!シリーズ】
雨の日はマッコリでチヂミが食べたくなる韓国人!それただ飲みたいだけじゃん・・・
梱包から荷解きまでなんと4時間!韓国の引越しは超スピーディーで超雑なのだ
【韓国生活これあると便利だよ!シリーズ】
韓国でスマホのデータが足りなくなった時の裏技!タダで追加できるよ!
重い物はネットスーパーで買おう!韓国もここまで配達時間が正確になってきた!
【韓国生活】韓国語を話さずに頼める出前アプリ登場!海でも山でも頼めるよ!