韓国生活

大家に振り回される韓国の住宅事情、突然2週間後の退去を命じられる!

こんにちは!たびなすびのちかです。

韓国の住まいは、アパート(日本でいうマンション)、ヴィラ(日本でいうアパート)、オフィステル(ワンルーム)、住宅(一軒家)と大きく4つのタイプに分類されます。

日本では一般的に持ち家一軒家が憧れとされていますが、韓国ではアパートに住むのがステータス。

韓国ではアパートの価値が下がることはあまりなく、小金が貯まるとまず小さなアパートを買い、価値の上昇とともに売り買いを繰り返し、最終的には高層アパートに引っ越す、という不動産長者が大勢います。

ここ釜山では高層アパート建設ラッシュで、ドバイかと見まごうほどの豪華絢爛なアパートも多数。

50階建てはザラ、最近では100階建てのアパートも建設されており、それでも売り出し日には抽選会が開かれるほど大盛況。

その殆どは個人不動産投資家ですが、韓国で囁かれる経済大不況は何処吹く風といった様相です。

後ろ盾のない外国人にはハードルが高いアパート

私たちも庶民派ながらアパートに住めるのは、社宅という体で職場が借りてくれるからです。

自力で借りるとなると保証金+家賃を捻出しなければなりませんが、保証金の額がなかなかの高額であるアパートは外国人には職場などの後ろ盾がない限り難しい。

韓国で家を借りる際の保証金は、退去時に全額返却されます。

ただ、その額が100万円から1000万円、新しい物件や高級アパートに至ってはそれ以上となり、ローンも組めない外国人が即金で捻出するのはハードルが高いのです。

たまには愚痴を吐いてしまう職場に対しても、このことを考えると足を向けて寝られなくなります。(いつもは忘れている)

大家さんとの相性が住みやすさを決める

ある日、夫のもとに職場から連絡が入りました。

 

「2週間後の契約更新はできなくなった。家を出て行ってほしい。」

 

びっくり仰天です。

そもそも私達は3ヶ月前に契約更新の旨を伝えており、大家もそれを了承。

にもかかわらず、何という大どんでん返し

映画なら面白さ倍増といったところでしょうが、私達は面白くもなんともありません。スリルとサスペンスです。

 

夫が職場で経緯を聞くも、職場の担当者にとって外国人の住宅手続き関係は ”オマケの仕事”

面倒は避けたい様子満々で、要約すると「まあ、あなたがガマンすれば丸く収まるから引き下がってよー」と伝えるのみで埒が明きません。

2週間で新しい家を見つけ(家探しは職場がしてくれない)、引っ越しの準備、新居の掃除に後片付けの日々…

 

嫌だ!

絶対に引っ越したくない!

 

実は韓国でも大家の都合で契約更新ができない場合は、3ヶ月前に居住者に連絡しなければならないという決まりがあるのです。これが一筋の光…。

確実に大家の不手際であることは明らかですが、「大家は法より強い」と言われる韓国では強行突破される可能性大。

夫は職場の担当者から大家の連絡先を聞くと、直接話し合いをすることにしました。

大家との直接対決!勝敗はいかに?

数日後、早めに帰宅した私が晩ごはんの支度をしていると、

 

ピンポーン

 

誰かしら、と思い玄関を開けると、

普段着の引田天功が立っていました。

 

「あの、大家ですけど。」

 

大家さん!初めて会ったけど、超強引そう!無理、負ける!

 

「あ、どうも。初めまして妻です。」

「あのー、ご主人様は?」

「まだ帰ってきてないので、退去の話は主人がいる時にお願いできますか?」

「そうですか…。私も困っているんですよ…、心配で眠れなくてね…」

 

出た!必殺「私可哀想」攻撃!

前記事にも書きましたが、韓国での戦いでは自分の状況に同情を集めたほうが勝利するのです。(→韓国でピンチのときは「この場で一番かわいそうな人」になるべし!

 

私「でも3ヶ月前にもう契約更新が成立していますよね。2週間で新しい家を見つけろと言われても、私達外国人ですし…私も眠れない日々が続いているんですよ。このせいで。」

 

お返しのパンチ!

 

大「そうですよね…、外国人でね…。いや、実はね、弟が今住んでいる家のローンが立ちいかなくなっちゃって、私を頼ってきているんですよ。家族を見捨てるわけに行かないし。」

 

家族…、このジャブは強い!

 

私「あ、弟さんが。それは大変ですねえ。じゃあ私達は職場が唯一持っている6畳一間のワンルームに引っ越すしか無いですね…、狭いけど、仕方ないか。狭いけど…

 

切り口を変え、受け止めると見せかけて軽くジャブ

 

大「ええ、ワンルーム!?いいんですか?この荷物が入るとは思えないけど!?」

私「だから大半は捨てます。弟さんのためですもの、仕方がないでしょう?」

大「そんな…。」

 

黙りこむ大家さん。いけるか?

 

大「実は私、北京に10年間住んでたことがあるんです。だから外国人として外国に住むことがどれだけ大変か知っているんですよ。」

私「そうなんですか!いや、私達はそんなに大変じゃないですよ。韓国人はとても親切で情が深いし。」

 

最後のひと押しに守備と見せかけた攻撃

 

大「そうです、韓国人は情の民族…。わかりました!じゃあ、お願いがあるんですが。」

私「何でしょうか?」

大「実は私、もう一戸部屋があるんです。ただ、とても汚くてリフォームしなければならないの。でも持ち合わせの現金が足りなくてここを弟に貸そうと思っていました。でもとてもじゃないけどあなた達を追い出せない。だから、保証金をちょっと上乗せしても構わないなら、あなた達が韓国を出るまでここに住んでもらいたいわ!」

 

聞くと、上乗せ保証金は私達が即金で払える額。保証金は退去時に全額返ってくるため、その条件を飲むことに。

 

引田天功風大家との攻防を帰宅した夫に伝えると、

「千佳、グッジョブ!!!」

褒められたー(嬉)

 

こうして無事引っ越しを回避することができたのでした。

顔を合わせて話すと、無下にできないのは韓国人も同じ。

現状を謙虚にとくとくと説明すればピンチを切り抜けることができるかもしれません!

 

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