先日、時事ネタ好きの夫がおもむろにこんな記事を送ってきました。
↓これ
衝撃的なタイトル!
スイスのビジネススクール「IMD」が毎年発表している『世界人材ランキング』っていうのの、2017年版が発表されたそう。
そこで、日本が「高い技術力を持つ外国人への魅力度」が、アジア最下位であると。
アジア一位はシンガポール、香港と続きますが、とにかくアジア勢では日本がビリ。
世界ランキングにすると、63カ国中51位ということでした。
高い技術力とは、特に人工知能やロボットなどの第4次産業に従事する人たちらしいです。
世界中にそういう研究、技術革新をする人がいるわけですが、
そういう人たちにとっては、働く場所として日本は魅力がないってことですね。
アジアの中で一番。
これねー、結構ビックリじゃないですか。
私もそうなんですが、年を重ねると10年単位で昔のことが、つい最近のことのように思っちゃうんですよね。
例えば、2007年といえばもう10年前。
でもつい最近のことで、あんまり変化ないな〜と思ったり。
冷静に考えれば、私が10歳のときと20歳のときではあらゆるものが変わっていってたし、多感な時期だったのでそれを肌で感じていました。
自分も成長してるから、周りの物事も成長して当然。
なのに!!
30→40歳なんてほぼ人間として同じなわけですよ。(見た目はともかく!)
だからさ…、全てが止まってるように感じてしまう…。
だけど世界は日々変化してるわけ!
キラキラジャパンはもう時代遅れです、残念ながら。
そう、皆さん。
日本はもはやアジアの先端ではないのだ…。
中盤もあやしい。
これを心に刻む、それが新しい成長…。栄枯盛衰…。
『IMD世界人材ランキング』を詳細に見てみよう!
記事で世界51位だった「高い技術力を持つ外国人への魅力度(Foreign highly-skilled personnel)」というのは、ランキングの一つの項目にすぎないらしい。
ので、色んな項目を見比べながら、日本の現況について考えてみましょう。
まず、大元のソースはこちら。
IMD World Talent Ranking 2017(PDF)
(各国ごとに超詳しく結果が載ってるので、詳細を見たい方はこちらをどうぞ)
日本語にすると『IMD世界人材ランキング』。
このランキングは、
3つのカテゴリーを更に8〜12項目にわけ、それぞれをランキング付けし、総合順位も付けています。
上記の記事は、その中のひと項目のみを扱ったもの。
抽出する項目によって、様々な角度から分析することができそうですね。
もしかして、まだまだ日本が頑張ってるものもあるはず!!
では…
ザッ…
こんな感じだったわ。
国は勝手に選んでまとめました。
日本と、長年住んでた韓国、今住んでるマレーシア、アジアトップクラスのシンガポール、香港、一応基準のアメリカ、世界トップのスイス7カ国。
(詳しく知りたかったらPDF見てね)
日本の上位、下位項目を見て衝撃を受ける
特によかった5項目と悪かった5項目に印が付いてたので、それに着目することにしましょう。
日本の場合。
<上位項目>
・見習い制度=5位
・社員教育=5位
・企業の人材獲得と保持=8位
・専門職の報酬=7位
・教育評価<*PISA:15歳>=4位
*PISA:学習到達度調査
これ結構すごい!!!
一桁代って超上位ですよ。
見習い制度とは、社員として雇い入れながらもその技術について勉強させることらしいです(英語では Apprenticeships)
どれどれ…
会社は人材獲得と保持に尽くしていて、新人は技術の勉強もキチンとできて、社員教育も整っている。
専門職であれば報酬も高く、中学卒業時には世界的にもトップクラスの優秀さ!!!
すごいじゃないですか…
なんか、あの記事さー、一つの項目だけ見て重箱の隅つついてるんじゃないのーーーー?
っていいたくなる良さですね。
では、気が進みませんが、
<下位項目>
・教育への公的投資=51位
・生活コスト=58位
・<経営陣の>国際経験=63位
・有能な経営陣=58位
・語学スキル=59位
*63カ国中
有能な経営陣、58位!!!
<経営陣の>国際経験、63位!!!
し か も、
63カ国だからね、ランキング参加国。最下位。
衝撃の事実…。
まあ、生活コストはしょうがないけど、高齢化社会で福祉にお金がかかるのか、教育への予算は少なくなってると。
語学スキルはまあそうだろうとは思いましたが、弱いですね。
上位と下位もろもろの項目をまとめると
てことはですよ。
日本の教育は国からそれほどお金を配分されてないのに、義務教育終了時点でかなり優秀な人材を輩出している。
企業も優秀な新人に末永く働いてもらおうと、技術研修なども積極的に行っている。
(上位ではないが)労働者のモチベーションも17位とかなりの高水準。
な の に!
せっかく入った会社の経営陣が日本しか知らず、世界最悪レベルで無能であることが多い。
優秀でやる気のある人材が会社の無能経営に潰されてるってこと…?
…
らしいよ。
この分析結果を参考にすると、最初の記事内容も納得ですな。
有能な人材が無能経営者のもとにわざわざ国越えて来るわけ無いわ。
他の国のランキングをちょこちょこ見てみる
韓国
普段あーだこーだ言ってますが、世界的に見れば、日本と韓国の社会的仕組みとかは似たような感じです。
でも、明らかに違ったのが、
労働者のモチベーション=59位
わ・か・る
デモとか多い理由、ここにあり…。
マレーシア
マレーシアは突出して良い悪いはないんですが、バランスが取れてる感じしますね。
特に人材へのプール準備とかは着々と進めてます。
国内人材への投資なんかも、日本の次点だし。
出来上がった国(先進国)から来ると、アラは目立って見えますが、まだまだ伸びしろがあるのはうらやましいところ。
シンガポール・香港
もうさー、日本の下位項目見ちゃったら香港の有能経営陣が羨ましくてたまらないよ!!
こりゃ華僑を日本に呼んでバッサバッサとやってもらうしか無いんじゃないですかね。
小さい国(厳密には香港は国じゃないけど)で、なおかつ中華系だと超合理的にやってくので、結果がついてくるんでしょうね。
思ったんですけど、日本も「東京」っていうくくりで勝負したらこの二カ国といい勝負になりそうな気もするんだけど…。
鎖国してるわけじゃないからもうちょっとさ…
今がね、江戸時代だったら別に経営陣の国際経験が最下位でも良いんだと思うんですよ。
食料も産業もなにもかも日本国内で完結するので。
だけど、もう日本のボーナス期間はとっくに過ぎちゃったし、今はただのアジアの一つの国です。
だから国際情勢もきちんと知ったほうがいいし、経営も今までのままではダメなよう。
せっかく若い人が優秀だってのに、潰されてしまうかもしれない分析結果は衝撃だったもん…。
この前、タイトルが
「40歳が社長になる日」
という本を見つけました。
どういうことか、わかりますか?
私は「なんと中途半端でわかりにくっ!」と思ったんですが、著者は、
「40歳という若さで社長になる人が出てくる!」
という意図だったらしいです。
40歳で社長が若いって…。
日本はもう30年位前から世代交代が起こってないので、「有能な経営陣が少ない」とランク付けされてしまうんだと思います。
年寄りには代わり映えのない30年でも、若い世代には目まぐるしく変わった30年ってことをお忘れなく!
ほんと、日本の若い人には絶対に優秀な能力とモチベーションを失わないでほしい!
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