韓国生活

韓国の高校生が全てをかける日、『大学修学能力試験(スヌン)』の朝は全国民が協力!

こんにちは!たびなすびのちかです。

本日は韓国全土の高校3年生が全ての力を出し切る、

 
『大学修学能力試験(スヌン)』の日です!
 

この結果により、その後の人生が決まると言っても過言ではない。

公的機関や金融機関、会社、学校など全ては彼らの受験のジャマにならないように、出勤時間を遅らせるほど一大行事です。

どうしてそんなに重要なのか

大学修学能力試験(以下スヌン)は、日本のセンター試験のようなもので、大学を受験する高校生が一斉に受ける試験のことです。

 

日本の場合、国公立大学であればセンター試験(一次試験)と受験校の試験(二次試験)の点数を合わせて合格を決めます。

もし、センター試験が悪かったら?

二次試験を頑張るか、センター試験関係ない私立大学を受験します。

 

しかし、韓国は、

 
スヌン一発勝負!
 

もしスヌンが悪かったら?

…あきらめるしかない。

 

一方、日本の私立大学を志望校にした場合、

・センター入試(その大学が採用している場合)

・受験校の試験(学科が違えば同じ大学を複数回受けられる)

しかも、大学ごとに試験日が違うため、たとえ一つ失敗したとしても取り返しはつきますよね。

 

しかし、韓国は、

 
スヌン一発勝負!!
 

例えばその日、お腹が痛かったら?風邪を引いちゃったら?

 
一発アウト!
きびしー!

異様なサポート

韓国は超学歴社会で、そのレールに乗れなかった人は非常に行きづらい社会です。

韓国での超富裕層は、昔からある財閥グループの家族親戚。(ナッツ姫とかさ)

一番大きなサムソン財閥が経営する企業の売り上げは、なんと国家GDPの3割!

その財のほとんどをファミリーで独占しているので、一般人は超富裕層に入ることはまず無理です。

 

そのため、一般国民があこがれるのは、その財閥企業で働くスーパーエリートになること。

強大企業は国家のサポートもあるのでつぶれることも無く、給料も平均よりかなり高いので、余裕のある生活ができます。

しかし、財閥企業で働けるのは、

 
人口の7%。
 

TOEICほぼ満点で、ソウルの一流大学か、アメリカ有名大学卒業、コンピューターにも精通していなければ、まず入れません。

その倍率たるや、700倍とも!

 

中小企業の給与は、大企業の半分以下とも言われているので、ここは死に物狂いでがんばっても入社したいのです。

 

将来の勝ち組への第一歩、有名大学への入学を実現するのが、そう、

スヌンの良し悪し!

 

国民全員がそのことをよく理解しているので、国全体で受験生をサポート。

彼らが遅刻なんてしようものなら、人生が台無しになるのですから。

 

通勤・通学を10時に遅らせる。(渋滞緩和のため)

英語リスニング時間の飛行機の離発着は禁止。

後輩は試験会場の前で先輩の応援。しかも横断幕とか!プラカードとか!

 

受験生は神様なのだ!

商売で儲かっても尊敬されない辛さ

日本でも「私は勉強漬けの高校時代をおくった!」という人もいるでしょうが、一応日本には選択の自由があります。

「あんまり勉強得意じゃないんだよね~」って人は、技術を身につけて独立したり。

商売がうまくいけば、大企業で働く給与より数倍以上も利益をあげる豪腕社長もたくさんいます。

 

しかし、韓国の場合は、まず国全体が受験特進科みたいなカリキュラムを組んでいます。

体育は自習時間にあてられ、0時間目(早朝自習)、ヤジャ(夜間自習)まであり、一日朝から晩まで教室で座りっぱなし。

「勉強が得意じゃないんだよね~」という生徒も強制的にヤジャをさせられ、どこかしらの大学に入学させられます。

勉強より長けているものがありそうな子も、そっちの道に進むことは家族が許してくれないので、泣く泣くあきらめ数年間も好きじゃない勉強をしなければなりません。

 

でも全てはスヌンのため!将来の安定のため!と信じて疑わない先生と親たち…。

 

どうしても企業文化に合わない!という人もいて、そんな人は独立起業したりしますが、利益を上げたとしても尊敬されません

韓国ではデスクワークなど頭を使う仕事以外は、いい仕事とは言われないのです。

そのため、ある一定額を稼いだら店を閉めてしまったり、バイトに任せて自分は店に立たなかったりすることも。

 

街の食堂が「20年伝統!」とか「30年伝統!」とでかでかと掲げているのもその理由。

それ以上続く店がないからです。

 

最近は見た目が素敵なカフェブームや、テレビでシェフブームが起こり、レストランをオープンする若者も増えているいい傾向!

こんな厳しい受験戦争の勝者である韓国最高峰ソウル大学でさえ、就職率50%という低さ。

もう自分で何とかする!とピンチをチャンスに変えるしかないことに気づいたのかもしれません。

 

どうかこのブームが定着して、どんな仕事でも自由に選べるようになればいいな!と思っています。

 

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