テニス経験者が「ピックルボール初心者」と言うのは、ちょっとズルい?
ジョージタウン|ペナン島2026年9月某日@ペナン島🏝️
「テニス経験者が『ピックルボール初心者』って言うのは、ちょっとズルいと思う!」
ピックルボールを始めたばかりのころ、妻によくそう言われました。
妻もテニスを少しかじったことはありますが、あくまで遊び程度で、経験者と呼べるほどではありません。
一方、僕は長いブランクを挟みながらも、学生時代の部活動や職場のサークルなどで、あわせて15年ほどはテニスの経験があります。とはいえ、強豪校出身でもなければ、トーナメントを勝ち上がるようなレベルでもありません。
それでも妻からすると、同じ「初心者」を名乗るのはどうも違うみたいです。
まぁ、でも、たしかにそうかもしれません。
Pickle & Co.|Penang2026年4月、ペナン島ではじめて夫婦でピックルボールのオープンプレイに参加したときのこと。
ボールに触るのも、パドルを握るのもはじめてでしたが、あたふたしていた妻の横で、僕は比較的すんなりとプレーに入ることができました。
後方からのショット、ネット際のボレー、頭上のスマッシュ。基本的な動きはラケットがパドルに変わっただけで、テニスと同じ。「はじめて」という感覚はありませんでした。
テニスとピックルボールはコートの広さや使う道具こそ違いますが、身体の使い方は驚くほどよく似ています。
Photo by planet_fox飛んでくるボールに合わせて足を運び、打ちやすい位置へ入る。
ラケットスポーツというと、腕でラケットを振る動作に目が向きがちですが、それ以上に重要なのは、足を動かしてボールとの距離を調整し、打ちやすい打点に入ること。
そして、軸足を決め、重心を落とし、下半身から股関節、腰、肩、腕へと力を伝えていきます。その先にあるのがラケットなのか、パドルなのか。打つという動作に関して、テニスとピックルボールの違いはそれぐらいで、道具に力を伝えるまでの流れはよく似ています。
ピックルボールコート上でのフットワークもショットを打つときの身体の使い方も、テニスで慣れ親しんだ動きにだいぶ助けられたのはたしかで、新しい動きを一から覚えるというより、知っている動きを、ピックルボールに合わせて少しずつ調整していく。そんなスタートでした。
ただ、技術的な入り口が近いからといって、すぐにゲームで勝てるというわけではありません。ピックルボールには、ピックルボール独自の戦い方があります。
Pickle By the Sea|Penang穴の空いたボールはテニスボールほどスピードが出にくく、ラリーも続きやすい。そのため、目の前の一球だけでなく、その次、そのまた次まで見越して組み立てる場面も多くなります。
また、ピックルボールはダブルスが主流で、ネット際にはテニスにはない「ノンボレーゾーン」があります。この場所をどう使うかで、ゲームの展開は大きく変わります。
速いボールを打てばいいというわけではありません。
ネット際では、あえてゆっくりしたボールを短く落とし合い(ディンク)、相手を動かしながら、わずかに浮いた一球を待ちます。
基本的なショットが打てても、こうした駆け引きを知らなければ、簡単に負けてしまいます。
だから、「テニス経験者はピックルボール初心者ではない」と言っても、「最初から上手い」「すぐにゲームで勝てる」という意味ではありません。
ただ、プレーするための土台はすでにあり、競技としては初心者でも、本当にはじめてラケットスポーツをする人とは、やはりスタート地点が違います。
妻が言った、「ちょっとズルい」というのは、たぶんそういうことなのだと思います。
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