韓国暮らし

韓国の「みんな一緒」文化に戸惑った私が、一人ごはんで学んだこと

2016年5月

こんにちは!たびなすびのちかです。

パーソナルスペースが比較的狭いとされる韓国では、単独行動よりも誰かと一緒に行動することを好む人が多いようです。

親しい相手とは、ほとんど常にどこかが触れ合っているような距離感を保っていることも珍しくなく、文化の違いを感じる場面が多々あります。(→韓国人はスキンシップがお好き?彼女の手の撫で心地は…

先日も、ある大学生の男の子が、休み時間になるたびに別のクラスにいる男友達をトイレに誘いに来ていたのを見かけました。

「どうしてトイレまで一緒に行くの?」と不思議に思って聞いてみたところ、「一緒に行ったほうが楽しいじゃないですか!」という返答が返ってきて、ちょっと驚いてしまいました。

私にとってトイレは、たいてい切羽詰まった状態で向かう場所で、「誰かを誘って行く」という余裕のある感覚が新鮮すぎて、ちょっと理解が追いつきませんでした。

お一人様レベルの高い日本

日々スキンシップ文化に囲まれて過ごしていると、日常の中で気づかないうちに、なんとなくこの“距離感の文化”が自分にも馴染んでいたりします。

ふとした瞬間に、「あれ、私、いつの間にかこうなってた…?」と感じるようなことが増えてきました。

たとえば、出勤前に今日のおやつを買おうとコンビニに入ったときのこと。ふと手に取ったのはチョコパイ12個入り。それを職場で封を切り、その場にいた人に「どうぞ」と配っている自分に気づきました。

もちろん自分の分は確保しておかないと、人数によっては手元に残らないこともあるからね!

Choco_pie

例)
コーヒーを買いに行くとき、「何かいる?」とその場にいる全員に聞こえるように声をかけてしまっている私。この場合、割り勘というより、買いに行った人がそのまま全員分を払うスタイルが暗黙の了解のようになっています。

韓国の方々同士では、自然とうまく交代してバランスをとっているようですが、外国人には「え、次いつ私が買えばいいの?」と戸惑うこともあるので、そっとポストイットに「次は私」などと書いて貼っておきたい気分です。

例3)
そして、お昼になると、お弁当をみんなでシェアするスタイルが定着しています。
あまりにも頻繁にシェアをするので、私も学び・・・バランス良く詰めるのではなく「今日は果物だけ」「今日は唐揚げだけ」と、あえて一品だけを持参したりと合理的に動けるようになりました!

時には見事に同じ品が重なって、ぶどうだらけのランチテーブルになることも…!
でも、そんな日も、なぜか笑って済んでしまう雰囲気があります。

「えっ、面倒くさいなぁ…」「ちょっと放っておいてほしいな…」と感じる瞬間も、正直⋯ないとは言えません。でもね、長く住んでいると、じわじわと馴染んでしまうのです。

気づけばきっとあなたも学校で⋯職場で⋯、

あなた
あなた
コーヒー買いに行きますよ〜みなさん何飲む〜?

と呼びかけていたりすることでしょう!

その姿を見たあなたの友達や同僚は、「◯◯さん、もう韓国人ですね」って必ず言ってきますから。

お一人様旅行者にはちょっと不便

beach_busan最近では、おしゃれなカフェや軽食店で一人でも気軽に過ごせる場所が増えてきた韓国。

ノートパソコンやスマホさえあれば時間を持て余すことも少なく、若い世代を中心に、一人利用は珍しいものではなくなっています。

とはいえ、旅行中となると「カフェや軽食だけではちょっと物足りないな…」と感じることもあるのではないでしょうか。

私自身も、外出中にランチタイムを迎えて、一人ごはんになることがあります。そんなとき、なぜか感じてしまうのが、寂しさ…。

日本にいたときには一人ごはんでも全く平気だったのに、不思議と韓国では心細くなってしまうのです。

その理由はきっと、まわりがみんな団体で来ているように見えるからかもしれません。

韓国では食事の時間をとても大切にしていて、たとえば会議が長引きそうなときも「まず食事を済ませよう」と途中で食事を挟むこともあるほどです。

会社によっては、交通費ではなく食事代が支給されることもあります。私の職場でも「給食費」として、毎日5,000ウォン(約500円)をもらっています。

また、団体で行動する文化も相まって、平日のランチは職場のチーム単位で、週末は家族単位で外食をする人が多いため、飲食店はとにかく団体客でにぎわっていることが多いのです。

明るくてにぎやかな雰囲気は韓国らしさでもあり、そういう空気が好きな人にとっては楽しい時間かもしれません。

でも、そんななかで一人ごはんをしていると、つい肩身の狭さを感じてしまうこともあります。

韓国には相席の習慣があまりないため、人気店で4人席をひとりで使っていると、お店のおばさん(もちろん悪気はないのですが)から、「あら、ひとり?」と少し困ったような表情をされることもあり…それだけでなんとなく心が折れそうになるのです。

では、そんなとき、どうすれば気楽に食事ができるのか。

私が試している対策は2つあります。

① 人気店で食べたいなら、「えっ今?」という時間に行く

ランチタイムの混雑を避けて、平日の14時〜15時など、団体客がほぼいない時間帯を狙います。この時間帯に食事をとる団体はほとんどありません。

いるのはたいてい、タクシーの運転手さんや、営業サボり中(?)のサラリーマンくらい。一人でも浮かず、落ち着いて食べられる空間が確保できます。

② 混雑時間帯なら「旅立ちの場所」へ向かう

鉄道駅や長距離バスターミナル周辺は、一人で移動している人が多いエリアです。
家族や職場と一時的に離れて行動している人が多く、食事も必然的にひとり、という状況が自然に生まれるので、一人でいてもまったく違和感がありません。

その中でも人が集まっているお店に入れば、味にもまず外れはないはずです。

Gimhae_airport

とはいえ、住んでいると毎回そんな工夫ができるわけでもなく…

釜山でデジクッパ(豚骨煮込みスープ+ごはん)を、汗だくになりながら一人寂しく黙々と食べることもあるんです・・・韓国のアジョシの中でレディーがひとり。それはきっと私。

……とはいえ、いつの間にか「もう、そんなに寂しくないかも」と思えるようになってきました。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
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ご訪問ありがとうございます、たびなすび(プロフィール)です。現在、マレーシアのペナン島を拠点に生活しています。このブログでは日常の小さな気づきや、心に残った旅の瞬間などをお届けしています。このブログが新たな冒険や発見のきっかけになれば嬉しいです。「住みたくなるようなお気に入りの街」を探す旅に出てみませんか?

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