9月22日
ペナン島北部の海岸を埋め立てて造られたSeri Tanjung Pinangというヨーロッパの港町のようなエリアを偶然知ったのは2014年の旅行中でした。
昔、松田聖子さんが結婚会見か何かで「会った瞬間にビビビッときた」なんて言っていましたが、僕たち夫婦もペナン島のマリーナエリアに来た瞬間にそう感じました。
「ここ、住まなきゃじゃない?」
来てすぐにそんな話をしていたのを覚えています。
旅行中に気に入ってしまい、「住んでみたい」と思った街はたくさんありますが、その多くは出逢ったばかりのカップルのように、刺激的な非日常が気持ちを高ぶらせ、相手に過度な期待をしてしまっているということが多いので、
旅先でそんな気持ちになったときには「実際に生活したらどうなんだろう」と、一度冷静になって、治安や物価、使用言語、ローカルコミュニティ、医療、国際空港の有無などを調べるようにしていて、当時もホテルの弱いwifiを使って、ペナン生活をイメージしながら、あれこれ検索していました。
ペナン島は海外生活ならではの刺激という点においては、やや物足りなさを感じますが、長期的に生活していく上での総合力はとてつもなく高いと思います。
マレー半島の西側にある小さな島ですが、ほどよく都会でほどよく田舎、車で10〜15分ほどの距離に何でもあるコンパクトシティなんです。
島の中心でもあるジョージタウン旧市街が世界遺産にも登録されているという点も魅力のひとつ。
そんなペナン島のSeri Tanjung Pinang生活も5年目となり、旅先で偶然見つけた憧れだったエリアも見慣れた風景となり、歩いていて聞こえてくる福建語やマレー語、タミル語の言語音も珍しいものではなくなり、住みはじめたころのように「あの人は何語を話していて、どんな会話をしているのだろう」とイメージを膨らませるようなこともだいぶ減りました。
クルーザーのメンテナンスをしている欧米人家族を見ても、「すごい家族だね、どんな生活してるんだろうね」と、感嘆の声をあげることもなくなりましたし、
マリーナにあるカフェチェーンを見ても、「こんなところでコーヒー飲んでみたい」と興奮することもなくなりました。どこにでもある”その辺のCoffee Bean”に見えます。
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憧れの街は日常となりましたが、それでも、いまここにいられることを感謝しながら、この日もゆっくりとマリーナを散歩しました。
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