
2025年6月
日本への約1ヶ月間の一時帰国からペナンに戻って、3週間が経ちました。
「やっぱりペナン最高だよね」という会話もだんだん減り、気がつけばペナン生活が当たり前になってきます。そんなときは、また少し刺激を求めて旅に出るのが、僕たちにとっていちばん自然な選択です。
今回選んだ行き先は、タイ南部のサムイ島。まずは車で本土側のドンサック(Donsak)港まで向かい、そこからフェリーに乗って島に渡ることにしました。

決めているのは、「とりあえずサムイ島を目指す」ということだけ。あとは気分と天気と体力次第で、その都度決めていく自由気ままな旅にしました。もっとも、自由な旅にも制限はあります。日本人の僕たちがタイにビザなしで滞在できるのは最長30日。どんなに無計画でも、1ヶ月以内にはマレーシアに戻らなくてはいけません。
それに最近は、旅の「長さ」についても考えることがあります。
旅は数日を過ぎると、当然ですが、旅をしているという状況に慣れ、非日常だったはずの旅が日常に変わり、気づきのアンテナも少しずつ鈍くなってしまいます。
もちろん、日常化した旅もそれはそれで楽しいのですが、できれば旅の高揚感が残っているうち、つまり、非日常が日常に変わりきる前に旅を終えたい。それがいちばん心に残る旅の終え方ではないかなと、最近は感じるようになりました。だから、今回もそんな旅になればいいなと思っています。
そもそも、今回サムイ島を目指すことにしたのは、ペナンでお世話になっている旅好きなご夫婦からのすすめがきっかけでした。
ご主人は、90年代前半から世界中を旅している根っからのバックパッカー。ネットもスマホもなかった時代、頼れるのはガイドブックだけという頃から、地球を歩き回ってきた人です。

伝説の「ジュライホテル」についても、その時代をよく知るバックパッカーとして、当時の空気感を教えてくれる貴重な存在です。
そんなご主人と一緒に旅をしている奥さま。どう見ても彼女も旅のスタイルはバックパッカーなのに、会うたびに「私はバックパッカーじゃないし。コロコロだし」と、笑いながらきっぱりと否定します。けれど、最近「スーツケースだと不便だから」と、とうとうバックパックを買ったそうで、近いうちにバックパッカーデビュー宣言が聞けるかもしれません。
旅好きなお二人が過去旅の話をするときは、自然と声に熱がこもるのですが、そのやりとりの端々から、奥様のご主人への信頼や愛情がふわりとにじみ出ていて、聞いているこちらまで、心があたたかくなります。
そんなお二人が、「サムイはいいよ。ぜひ行ってみてほしい。カーフェリーで車ごと上陸できるからさ」と勧めてくれたのだから、行かない理由はありません。
ということで、6月某日、午前6時20分。ペナンの自宅を出発しました。
国境までは、車で2時間半ほどです。途中、タイ向け自動車保険の書類を受け取り、ガソリンを満タンにして、いざ国境へ。
マレーシアからタイへの車旅は、ガソリン代が肝です。マレーシアのガソリンはリッター70円。タイに入ると150円になります。(2025年6月時点)タイに入るとガソリン代が一気に2倍になるので、国境の手前でタンクから溢れるぐらいまで入れるのが、毎回のルーティンです。

陸路での国境越えは、どの国であっても多少の緊張感がありますが、 マレーシア側の「ブキット・カユ・ヒタム」からタイ側の「サダオ」までは、拍子抜けするほどスムーズです。特にこの日は平日の朝だったこともあり、出入国手続きにかかった時間は15分ほどでした。
無事に国境を越え、タイに入ると、やはり「空気が変わったな」と感じます。
マレーシアに住み始める前、旅行で東南アジアを周遊していたころは、 タイもマレーシアも「東南アジア」と一括りにして考えてしまうことも多かったのですが、実際に住んでみると、全く違うことに気づきます。
マレーシアは多民族国家で、それぞれの文化や価値観を尊重しながら共存している国。タイは、タイ語を共通言語とし、国民全体が一つの文化圏としてまとまっている印象があります。同じアジアだけれど、空気感はまるで違います。
外国人として住むならマレーシアは心地いいですが、 旅行するなら、やっぱりタイの方が断然面白い。その土地ならではの言語や色、空気を感じられると、やっぱり旅は楽しいものです。
さて、タイです。国境の街から1時間ほど走るとタイ南部最大の都市「ハジャイ」があるのですが、今回は寄らずに一気に北上します。
目指したのはナコンシータマラート。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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ご訪問ありがとうございます、たびなすび(プロフィール)です。現在、マレーシアのペナン島を拠点に生活しています。このブログでは日常の小さな気づきや、心に残った旅の瞬間などをお届けしています。このブログが新たな冒険や発見のきっかけになれば嬉しいです。「住みたくなるようなお気に入りの街」を探す旅に出てみませんか?