
2016年4月
こんにちは。たびなすびのよしです。
今回は韓国(釜山)の駐車場で僕が怒鳴らなかったら「変わった人だな」と言われた話です。
ある日のこと、日本から韓国へ遊びに来ていた旅仲間と一緒に、釜山の広安里近くにあるレストランにユッケビビンバを食べに出かけました。案内したのは、これまで一度として期待を裏切ったことのない、僕たち夫婦にとって確かな信頼を寄せる店。
店までは車で向かい、お店と提携している有料駐車場に車を停めました。韓国では飲食店と提携している駐車場を利用すれば、たいてい制限時間付きではあるものの、一定時間は無料になるのが通例です。この日も例に漏れず、最初の30分は無料、その後は30分ごとに1000ウォンが加算されるという料金体系でした。
「1時間ぐらい無料にしてあげても・・・」と思われるかもしれませんが、韓国のローカルレストランではお客さんは座った瞬間に料理を注文し、レストランも素早く料理を提供し、そして、食べるスピードもまた早い傾向があります。そのため、30分以内に食事を終えて店を出ることは、決して珍しいことではありません。

僕たちも注文するものは決まっていたので、ほかの韓国人のお客さんと同じようなペースでさっと食べ、30分後、食事を終えて駐車場へ戻りました。
すると、無料で駐車できる時間をほんの5分ばかり過ぎてしまっていたようで、「5分オーバーだから1000ウォンね」と、近づいてきた駐車場の管理人らしきおじさんに告げられました。
僕は財布から1000ウォン札を取り出し、「はい、1000ウォンですねー」と差し出そうとすると、おじさんが声をあげて笑い出します。
そして、「あんた、変わった人だな」と。
唐突におじさんにそう言われたのですが、自分が何か突飛なことをしたという自覚はなかったので、
「え? 何かおかしなことをしましたか?」
やや慎重にそう尋ねると、おじさんは愉快そうに言いました。
「『時間通りに戻っただろ』『5分ぐらい多めに見ろ』って怒鳴る人ばっかりなんだよ。でも、あんたは黙ってお金を払おうとしたからさ。気分いいから、無料でいいよ、あんちゃん。いやぁ、変わってるよ、本当に。はっはっは。」
どうやら駐車場のおじさんにとって、僕のような反応は極めて珍しい部類に属するものだったようです。
その様子を後部座席で見ていた友人⋯
やや緊張した面持ちで僕に尋ねました。
「ねぇ、大丈夫? おじさん、すごい勢いでしゃべってるけど……何か怒られてたの?」
「いや、その逆でさー、超過した分の駐車料金1000ウォンを払おうとしたら、たいして時間過ぎてないのに、まともに払おうとするそんなヤツは変わりもんだとか言って、タダにしてくれたんだよ。」
そして、そんな僕たちの日本語での会話が聞こえた駐車場のおじさん⋯
「あ〜、イルボンサラ〜ム(日本人)。だからか〜」って。

これまで15年ほど、韓国で生活してきたのですが、「え?なんでここで喧嘩がはじまるの?」という光景はよく見かけます。ドラマなどでも、大声で言い合うシーン頻繁に出てきますよね。
言わなくてもいい一言を、つい口にしてしまう人が少なくない⋯。
韓国に住みはじめた当初はその激しさに戸惑いましたが、韓国の友人に言わせると、「それは半島気質だ」と。常に外からの緊張にさらされてきた歴史があり、人々は自然と“臨戦態勢”を身につけるようになったとか⋯
とはいえ、今回は実際に無料駐車時間を過ぎていて、単純にルールに従っただけですからね⋯。
旅仲間にとっても、興味深い異文化体験だったようで、「あそこで怒るのが逆に理解できない」と笑っていました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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ご訪問ありがとうございます、たびなすび(プロフィール)です。現在、マレーシアのペナン島を拠点に生活しています。このブログでは日常の小さな気づきや、心に残った旅の瞬間などをお届けしています。このブログが新たな冒険や発見のきっかけになれば嬉しいです。「住みたくなるようなお気に入りの街」を探す旅に出てみませんか?