こんにちは!たびなすびのちかです。
インド1ヶ月の旅を浄化すべく立ち寄ったタイの楽園、ピピ島。
快適なホテルに滞在し、ビールとタイ料理を堪能している私たちには到着初日から気になっていることがあったのです。
まずファッションが独特、リゾートじゃないもん
予約したホテル「PP Insula Hotel」はフェリーターミナルからほど近い場所。
ダラダラと「やっぱりインドとは違う!だって誰も寄ってこないもんねー」などと世間話をしながら道を歩いていました。
すると、
明朝体のハングル文字が刺繍されている青いキャップをかぶり、
肩にかかるウェーブがかった髪をなびかせ、
眉毛とひげが印象的な男性が
まっすぐ前を見ながら、ものすごいスピードで歩いてきました。
独特な個性に釘付け…。
ものすごいスピードといっても、都内であれば通勤時間のサラリーマン程度の速度ですが、ここはタイの島です。
日本のサラリーマンの歩速には誰もついていけません。
一瞬のうちにすれ違い、振り向くとすでに50メートルほど先に後姿が見えるのみ。
私「せ、仙人…」
夫「いや、仙人にしては若すぎるでしょ。とはいえ、一体何者?」
私「ハングル文字っぽいから韓国人かなあ?顔は東アジアだったよね」
夫「俺は中国か香港だと思うよ。台湾人はもうちょっとふにゃふにゃしてるから」
私「なんかさ、キリッとしてたよね」
夫「うん、キリッ!!!!だった」
このように、その男性は一度すれ違っただけで、私たちの心をわしづかみにしたのでした。
独特な雰囲気の彼と2度目の遭遇
その後無事にホテルに到着しチェックインを済ませると、ちょっと喉が渇いたので夫が近くのスーパーに買出しに行きました。
十数分後、夫は「いた!!」と興奮気味に部屋に戻ってきました。
夫「いたよ!フロントに!」
私「?」
夫「あの人!ハングル帽子!」
私「ええ!このホテルに!?」
夫「そう、フロントでチェックインしてた!」
私「何人だった?」
夫「英語だったからわからないけど、ぶっきらぼうな感じだったよ」
私「えー見るからにぶっきらぼうですって感じだったもんねえ。じゃあ、また会えるね。」
夫「会えるよ、だって同じホテルだもん。」
私「明日会っても同じ帽子かな」
夫「どうかな。いろんな種類持ってるかもね。」
彼は一体何者なのでしょう、期待は高まるばかりです。
ついに!彼と言葉を交わすときが来た…
翌朝、ダイビングを申しこんだので早めに起床し、朝食をとりにホテルを出ました。
大の甘党である夫オススメの激甘チョコバナナクレープを買い、コーラで朝食です。
「俺、このクレープ好きなデザートベスト3に入るなー」
といいながら、半分こといいながら8割がた平らげている夫を見て、だから太るんだな、と思いました。
朝食も終え、ダイブショップで今日私たちを担当してくれるインストラクターを発見。
あいさつをすると椅子でちょっと待機するように言われました。
久しぶりのダイビングなので、ちょっと緊張気味の私は手順の復習を頭の中で必死にしていると、
夫「ちか、ちょっと後ろ見て!」
私「…何?今忙しいんだけど。」
夫「忙しいって目の前で座ってるだけじゃん」
私「頭の中でいろいろ駆け巡っているんだよ」
夫「ああそう、そうじゃなくて!後ろ!」
私「何!?もう!」
後ろを振り返ると…
ハングル帽子のない、ハングル帽子(の人)が!
インストラクターらしき女性と話しています。
イ「…ので、大丈夫だと思います。」
ハ「わかりました。よろしくお願いします。」
に、日本語。
日本人かい!!!
インストラクターが席を離れると、一服するハングルさん。
チャンス!!!
「こんにちは!」
「…ああ、どうも」
「あの、昨日もお見かけしたんですが、同じホテルなんですよ」
「あ、そうなんですか。よろしくお願いします。」
「私たち、日本から来たよしと千佳といいます。」
「あ、僕、東京から来ましたケンです。どうも」
ケ・ン・さ・ん
こうしてハングル帽子改めケンさんと挨拶をすることができたのでした。
独特の雰囲気は職業から!実は流行最先端だった
この日、ケンさんと私たちは同じ船でダイビングをすることになりました。
一日一緒に過ごし、ちょっとなれてきたので、色々な疑問をぶつけてみました。
私「ケンさん、どうしてハングルの帽子を選んだんですか」
ケ「ああ、アレは韓国に旅行に行ったときにカッコイイと思って買ったんだよ」
私「なるほど!ハングル文字はかっこいいですか?私たち日常すぎてわかりません(韓国在住時)」
ケ「かっこいいよ!全然わからないと余計そうなのかな」
私「じゃあ、ケンさんは今何をされているのですか」
ケ「美容院を経営しているよ。」
私「じゃあ美容師さん!なるほど!それで素敵な髪型をしているんですね!」
美容師さんといえば、今も昔も流行に敏感なファッションリーダー。常に新しいものを発掘して自分のものにしている職業です。
なるほど、東京の美容師さんといわれれば、仙人っぽいファッションも最先端に見えなくもありません。
しかもウェーブがかったロン毛を一つに結びタバコをすっているケンさんは雑誌のモデルのようにカッコイイ!
夫「こういうことか」
私「こういうことだね…」
モデルのようなケンさんの横で、今日二度目のチョコバナナクレープを食べる坊主頭の夫。
「俺、今度ケンさんの店行きます!」
という夫に、どこのどう切ってもらうんだろうと思いながらピピ島の風に吹かれ船に揺られていたのでした。