たびなすび日記

ビルの向こうの空

10月某日

マレーシアはロックダウンが解除され、少しずつですが、元の生活に戻りつつあります。

州越えも解禁となったので、僕たちもさっそく年末年始を過ごすクアラルンプールのホテルを探しはじめることにしました。

波の音や鳥たちの美声が目覚ましになる島の生活は自然をより身近に感じることができてこの上ない幸せを感じますが、人の波、車やバイクのクラクション、両肩がぶつかり合う駅の改札も同じぐらい好きです。

きっと後者のほうがストレスは感じるのでしょうけれど、都会の喧騒を歩き、ふと見上げたときにビル群の隙間から覗く青空はとても静かで、そのままじっとしていると、地上のあらゆる音がゆっくりとフェードアウトしていくように感じます。

昔からそんな場所は好きでした。

東京都庁の中央公園側に大きな石造のベンチがいくつかあるんですが、高校時代、部活がない日にはよくそこに寝転がって本を読んだりしていました。「あなたの夢叶えます」という勧誘にときどき遭いながら。

都心のコンクリートジャングルに存在する静けさには自然から得られるマイナスイオンとは全く違った癒やし効果があるような気がしてなりません。

今年も12月末ごろから、そんな都会のヒーリングスポットを探しに行こうと思います。

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