韓国

多国籍な職場で変わった「生き方」「働き方」の価値観 〜君はwant toではなく、have toで生きている〜

こんにちは。たびなすびのよしです。

 

僕は2017年2月28日、10年働いた学校を退職しました。飽きっぽい性格の自分が10年も同じ職場にいられたのはもはや奇跡です。

日本語学校(학원:学院)で3年、大学で12年、計15年もの間、韓国の教育機関<4箇所>で日本語教育に携わっていました。

「大学教員」というと聞こえはいいですが、「外国人教員」という立場は不安定で、多くの学校では2年〜4年の任期付き契約教員として雇用されます。

また、契約更新時の契約内容は前年度とほぼ同じもの。つまり、昇進や昇給はほとんどなく、外国人教員が勝ち取ることができるのは「そこで働き続けてもよい」という+1年なり+2年の任期延長のみ

ポイント制の昇給制度をとっている学校もありますが、それは稀であり、あまり聞いたことがありません。

 

給与面に関しては、働くモチベーションを維持するのに必ずしもよい条件というわけではありませんでしたが、同僚の支えや学校の配慮等もあり、10年という長い期間、同じ職場にいることができました。

韓国の私立大学でありながら、日本人教員10数名を含め、外国人教員100名を超えるグローバルな職場であったので、学びと発見が多く、彼らと接することで生き方や働き方の価値観もだいぶ変わりました。

外国人の同僚は基本的にみな任期付きの契約教員なので、入れ替わりが激しく、毎年新しい出会いと別れがありましたが、生まれ育った文化や受けてきた教育の影響もあり、「当たり前」や「ふつう」があまりにも異なるため、よく議論をしました。

 

君は君自身のためではなく、この学校のために生きている。君は一番近くにいる最も大切にしなければいけない人を誰よりも大切にできているのか?そもそも君は幸せなのかい?」

 

職場で同室だったフランス人の同僚から毎日のように投げかけられた言葉。

 

「日々、疲れた表情でエレベーターに乗ってくる君たちをみていると、悲しくなるよ。何で学校から言われたことを全部やろうとするんだ?それは君たちが望んでいることなのか?仕方なくやっているなら、やりたくないと言えばいいんだよ?

 

彼は僕だけを見てそう言っていたわけではなく、十数人いた日本人教員の働き方をみて、そう言っていました。

 

一方で韓国人の同僚からは

 

「いつも遅くまで頑張っていますね。先学期も優秀講義評価は日本人の先生方の名前ばかりで・・・すごいですね。授業だけじゃなく、いろいろな行事やプロジェクトにも参加してくれるおかげで日本語学部の評価が高いですよ。」

 

と称賛されたり、感謝されたり。

やらなければならない、或いはやってほしいと頼まれた仕事が目の前にあればやるという働き方に関して言えば、日本と韓国は比較的似ているのかもしれません。

 

僕は日本人教員のコーディネーターをしていたので、それを知っている日本人以外の外国人教員からは、よくこんなことを言われました。

「”外国人教員”として、私たちは同じ契約内容で働いているのに、君たち日本人が、『have to』といって、契約にない仕事までやっているから、ほかの外国人教員にまで日本人のような働きが期待され、余計な仕事がまわってくるじゃないか。君たちは『have to』よりも『want to』についてよく考えるべきだ。Noと言えない結果の『have to』であるならば、弁護士を紹介するからいつでも言ってくれ」

 

彼らの諭すような言葉に、最初は、

価値観を押しつけないで。教育現場にいるんだから、have toでいいんじゃない?そう思うけど。
今でも十分幸せだし、ここにいさせてもらえるだけ有難いんだよ。

とぶっきらぼうに反論していたような気がします。

 

しかし、同時に「やりがいがある」「学生のため」「教育機関で働くとはそういうこと」と自分に無理やり言い聞かせ、彼らの意見に向き合おうとせず、ひたすら逃げていたようにも思います。

最近は「やりがい搾取」という言葉もあるようですが、「やりがいがある」「学生のため」というのは本心で、仕事自体も好きで、楽しかったのは事実です。

 

でも、「仕事(日本語教師)が全てか?」と言われればそうではありませんでしたし、生きていて最も心躍る瞬間が仕事をしているときというわけでもありませんでした。

やりたいことは、仕事の「隙間時間や休暇中に」。これに疑問を感じたことはありませんでした。

 

同部屋だったフランス人の同僚も決して「仕事は適当にやればいい」ということを言っているわけではなく、自分がやりたいこと(家族との時間や自分の趣味や習慣にしていること)を犠牲にし、予定されていなかった急な学校行事への参加や、本来、契約教員がやるべきでない業務などを優先させるのはおかしいということでした。

こんなことを4〜5年、毎日のように言われ続けたので、考え方も変わりました。

 

多国籍な職場にいたおかげで、働き方、仕事への向き合い方、自分が大切にしなければならないこと、本当にしたいこと、共に時間を過ごすべき人について、そして、人生は一度きりであり、時間は有限であるということについてより深く考えるようになりました。

 

 

10年勤めた職場を退職することにしましたが、今まで以上に楽しく、幸せに生きていくための決断でした。

 

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