旅先ではアラームをセットする必要もなく、窓から差し込む強い光とともに目が覚める。
何もかも自由。
しなければいけないことはないし、したいこともない。
でも、ここはインド。
突然やってくる「交渉」の舞台に備えて、腹ごしらえが必要だ。特に売るものも買うものもないのだが、街を歩いていれば、今日もまたインド人との交渉の場がやってくるはずだ。
朝ごはんは野菜入りのドーサ(クレープ)。バナナの皮で作られたお皿に酸味のあるタレがついてきた。
そして、ドーサのお供には定番のチャイ。
すると・・・ほらやってきた。誰かが。これがインドだ。
僕がiPhoneを触っていると、同じドーサを手にしたインド人の警官が話しかけてきた。
おれのもそうやって指でスッと動かしたいんだけど・・・ちょっと、やってくれないか?
おっちゃんは言語設定を英語に変え、目をキラキラさせながら、僕に携帯を託した。
スマホではない旧式の携帯電話を・・・。
「あぁ・・・おっちゃん、ゴメンよ。この携帯ではスワイプできないんだよ」
そう伝えて、皮のケースに丁寧に入れられた携帯電話を返した。
彼は「oh…」と、笑みを浮かべながらもとても残念そうな顔をし、去っていった。
心に残る、きっと一生忘れることのないインド人警官との一時。
こんなシーンが好きだ・・・。
旅の目的は旅することであればいい。
ひとたび旅に出れば、そこは出逢いの宝庫だ。
2012年バラナシ@インドにて
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