マレーシアの出稼ぎ労働者の宿所に驚愕した話。彼らが私達のコンドミニアムを作っているんだ…

   

こんにちは!たびなすびのちかです。

マレーシア移住のメリットは、何といっても家賃の安さ。

ここ数年、マレーシアの都市部には新しいコンドミニアムが次々に建設され、完成する前にはもうほとんどが売れてしまうほどの人気投資先です。

投資用に買ったオーナーは外国人が多く実際には居住しないのがほとんどで、高値で売れるまでは賃貸します。

私達が今住んでいる物件も半分以上の部屋は住んでいる人がいない状態で、プールやジムなどの共用施設が満員になることなく快適に使用できています。

オーナーや運営会社にとってはいいのか悪いのかわかりませんが、かなり割安で日本の都市部では考えられないようなセレブ施設に住めるのは嬉しいこと!

コンドミニアムの従業員も住人もほとんど外国人

100平米で家賃5万円、プール、ジム、テニスコート付き!

なんていう夢のような物件は、日本人にとっては「安い!」と飛びつきますが、現地の人にとってはそれでも高嶺の花。

手を出すのは、財テクもバリバリやるような中華系お金持ちくらいのものです。

実際に私達が住んでいるコンドミニアムでは、マレー系のトゥドゥン(ムスリム女性が髪を覆う布)を被った住人には一度も会ったことがありませんし、何十人という住人と会話をしましたが、マレーシア人は皆無でした。

まだ会っていない中にはいるかもしれませんが、だとすればかなり少数ですね。

 

ここはマレーシアなのに…。日本のような国からすると不思議な感じですね。

 

更に、コンドミニアムの治安や景観を守るために沢山の従業員が働いていますが、

 

セキュリティはほぼネパール人、

庭の手入れや掃除はインドネシア人やバングラディシュ人、

メイドはフィリピン人やインドネシア人、

マネジメントオフィスで働く事務員のみマレーシア人、

 

なんてことも多いです。

 

マレーシアなのにマレーシア人ほぼいない…

 

マレーシアは東南アジアの中ではシンガポールに次いでGDPが高く、日本から見れば安い国でも、他のアジア諸国からすると恰好の出稼ぎ国なんだそう。

たまにセキュリティの交代時間に出くわすこともありますが、帰宅の途に着くときには数十人が列になって同じ場所へ帰っていきます。

彼らは出稼ぎ任期中(2〜3年)、提供された宿所で仕事仲間と寝泊まりをして支出を最小限にし、祖国の家族に仕送りをしているそう。

 

彼らはいつも笑顔で挨拶してくれて、一生懸命働いていて、とても感心します。

特にネパールには数年前に訪れたことがあり、かなり田舎の方でも『出稼ぎ御殿』を見てその立派さにびっくりしたこともあるので、是非彼らには故郷にあんな家を建ててもらいたいもんだ、と心のなかで願っています。

一番きつい仕事は炎天下の建築現場

ある日のこと。

数日雨が振らず、かなり暑い日が続いていました。

朝晩でも若干蒸し暑さが残り(普段はそうでもない)、日中に出かけるなんてちょっと無理…と、家のエアコンをガンガンに入れ、窓から外を眺めていました。

 

「ここからだといい景色なのに、外に出たら地獄…」

ふと、奥のほうに目をやると、

 

建築現場の屋上に数人の人影が!!

長袖長ズボンで熱がこもりそうな鉄骨を肩に抱えてる…

 

建設ラッシュのマレーシアなので、なに当たり前のこと言ってんの?って話なんですが、

 

めちゃくちゃ暑いのよ!ここの昼間って!

 

そして、恐ろしいことに、

 

永遠に続くの…。

終わりのない夏…。

 

だから彼らは8月を乗り切れば!とかない。永遠に8月だから…。

 

もちろんわかってはいましたよ、誰かが作らなければビルはできないし、マレーシアは常夏で日中はものすごく暑い。

でも自分が数日実感してから(エアコンの効く室内から)見た風景の衝撃といったら…。

 

家賃やすーい!部屋快適ー!ひろーい!とセレブ生活を送るこのコンドミニアムも炎天下で誰かが建ててくれたからなのですね。

なんだろう、

スーパーで豚バラ肉見ると何とも思わないけど、豚の解体現場見たらいろいろ考えちゃった、みたいな気持ちかな。

 

…でも食べるけど(住むけど)。

感謝…。

そんな彼らが住んでいるところは

マレーシアの建築現場で働くのはほぼバングラディシュ人だそうで、なるほどそう言われてみれば、顔つきはみんなそんな感じです。

バングラディシュもかなり暑いだろうし、エアコンもなかなか普及してないだろうから、環境的には慣れてるのかな。

私のように温室育ちでは彼らの体力にはかなわないことでしょう…。

 

マレーシアの建築現場で働くほうが、バングラディシュの首都ダッカで働くより5倍の賃金がもらえるそうなので、彼らにとっては割のいい出稼ぎだとのこと。

もし英語ができればもうちょっと体力を使わない仕事もできるのだとか。

 

そんなことを(たまに)考えながら過ごしていたんですが、ある日夫と散歩を兼ねてちょっと離れたスーパーへ買い出しへ行きました。

その散歩道は閑静な住宅街で、これまたガーデナーが水をまいていたり、セキュリティが自転車でパトロールしたりするような場所。

まるで欧米のよう。

住人なんてほぼ歩いていません。みんな日中は車でお出かけ。

 

そこはエリアで区切られており、門をくぐるとエリア外で地元の人が商店を開いたり、屋台があったりと全く雰囲気は変わります。

その一角に空き地があり、フェンスに服や靴などが大量にかかっている場所がありました。

 

「洗濯物…?」

 

いや、でもフェンスっていうのがもうボロボロで、そこに干しても錆びるだけじゃん、という代物。

 

私「ここで服でも売ってるわけ?でも状態がひどすぎない…」

夫「いや、これやっぱり洗濯物だよ!だってあそこに家がある!」

 

夫が指差した先を見ると、

 

プレハブの箱…?

 

私「ええええええええ!あれ!?」

夫「ほら、人いるじゃん。」

私「ええええ…だってプレハブってか、トタンじゃん…、この炎天下あの中にいたら死んじゃう…」

 

家と思しきものは、トタンで2階建てに作られた、何と言えばいいか…とにかく箱。

A4サイズ位の窓らしきものが一部屋に一つ。

間隔から推測するに、一部屋ベッド1〜2つ分くらいか。

それが20部屋×1階と2階。

それがもうひとつピッタリとくっつけられて、その間に人が一人通れるような廊下(ただ板が張ってあるだけ)がある。

 

この日光を浴びたら、あの箱の中はどれほどの温度になってるのか…。

 

顔つきから推測するに、その空き地近辺のコンドミニアム建築現場で働くバングラディシュ系の人たちのよう。

 

夫「宿泊完備とか言われて連れてこられたのがここだったのかも…」

私「これはひどい。」

 

彼らの賃金は本国の5倍とされていますが、それでも一ヶ月4万円程度だって。

でもこれは公式に届けられた賃金なので、不法だったり中抜きが酷かったりしたら一体いくら残るのか…。

格差は確実に存在するし、それを埋めることはできない

格差を是正するにはどうすればいいのか、という話がよくありますが、こういうものを見てしまうと、

確固たる格差はあって、それはもうどうにもならないこと。

という現実が突きつけられます。

 

後は、ミクロで見るしかないのかな。

どんな暮らしであっても、本人が幸せを感じて生活ができれば、”人と比べる”格差の問題は薄らぐのかも。

(もちろん最低限の生活インフラは必要だけど)

 

とはいえ!

あの家はひどすぎる!

あの建築業者の名前調べてやりたいわ!

でも待てよ、この建築ラッシュからすると、あんな待遇ゴマンとあるのかも…。

 

せめて彼らの休みの日には、隣のショッピングモールで涼むことができますように…。

たまに日中も曇りますように…。

 

で、お金を持って無事に国へ帰っておくれ…。

 

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