トルコからシリアのアレッポへ向かうバスの中で「死」を覚悟した。

      2016/12/29

Photography by YOSHI

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トルコのイスタンブールからシリアのアレッポへとバスで向かった。

20時間ぐらい揺られていただろうか。

観光客は自分一人。ほかはみなアラブ人。

中東での陸路国境越えははじめてだったため、不安と緊張でなかなか眠れない。前後に動く安定しない座席にイライラしながら、床に散らばったピスタチオの殻を追う。

そして、隣でいびきをかいているアラブ人の髭とターバンを間近で観察しながら、「国境でバスから降り、自分だけおいていかれないだろうか」、「シリアのビザは問題ないだろうか」、「国境越えで要求される賄賂はどのぐらいだろうか・・・」など、あれこれ考えていた。

髭に紛れたピスタチオのカスが気になった。

世も更け、埃っぽい車内にも静寂が訪れる。いま、走っているのは街中なのか、砂漠の中なのか、暗闇の静けさが不安を煽る。

そんな中・・・

突然だった。

「☓◎!△□!!」

前方の誰かが車内に響き渡るほどの大声を発した。

自分以外の乗客は頭を抱え、一斉に床に伏せた。

一瞬「死」を覚悟したが、数分後、車内は阿鼻叫喚から笑い声へと変わった。

寝言だったのだ。

当時(2001年)はまだ平和なシリアだったが、きっと緊張感の中で生きていた人もいたのだろう。

いま、シリアの人々は笑うことはできているのだろうか。あのとき、アレッポで出逢った子どもたちは元気にスークの中を駆け回っているのだろうか。あの少年たちももう二十歳ぐらいになっているはずだ。

またいつかシリアを訪れることができますように。

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